うさぎの趣味のお部屋

月は好きだけど月に行きたいとは思わないうさぎ。

蛍火の杜へ を見た話③ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

 

蛍火の杜へを見た話の続きを書いて行きます。

③となりましたが、一体何回まで行くのかうさぎにも分かりません。

最後の回では、うさぎがただ思ったことだけを書くこともやろうかな~なんて思っています。

htmt167.hatenablog.jp

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本編の内容を扱っています。

ネタバレを含みますので、ここからはお気をつけください。

 

 

前回は、来年も会うことを約束した所で終わりました。

 

そして約束の来年の夏、蛍は山神の森へ行きます。ギンも、そこで蛍を待っていました。また二人は一緒に遊びます。

 

あるとき、ギンと蛍が森を歩いていると、木の中から大きな手が出てきます。

それは人の子だ。

触れられたらお前は消えてしまう。

 

引用:蛍火の杜へ 妖怪

こう言って、手はギンをかばおうと、守るような動作をします。その妖怪に大丈夫だとギンは言いますが、妖怪は蛍に、絶対にギンに触れないよう言います。

 

ここで、森に住む者たちはギンを慕っていることが分かります。ギンに消えて欲しくないと思っているのです。だから、守ろうとします。そして、前にも書いた通り、妖怪たちはギンを守ろうと、蛍に手を出そう(危害を加えよう)と考えてはいるものの、ギンが大丈夫だと言えば彼らは手を出してきません。ギンがそう言うのであれば、という感じなのです。

ギンが妖怪たちにとってかけがえのない存在であり、愛すべき存在であり、守るべき存在であり、また信頼できる存在であると分かります。

 

一方、蛍は、妖怪たちはギンに触れることができるが、自分は触れることができないということを改めて実感するのです。

 

この部分がつらい所だと思うのです。

お面を着けてはいるけれど姿は人間そのものです。お面を外して見れば、まるで人にしか見えません。そんなギンは、こちら側の存在ではないと明確に自覚するシーンなのです。

触れたら消えてしまう、けれどそのことを実践することはできない。なぜなら、もし本当に消えてしまったら取り返しのつかないことになるからです。蛍にとって、人間に近いギンがどちら側の存在なのかを確かめるには触れるしかありませんが、それができないから確証を得ることができません。ですがこのシーンで、少なくとも人間側に近くはない、と分かりました。

きっと、自分と彼の間には距離があるのだと感じたと思います...。

 

そして、ある出来事が起こります。

幾度か夏を繰り返したある日、蛍は木登りをしていました。

蛍はギンの驚いた顔を見ようと、木の上からギンを驚かします。

すると、蛍のいた部分の枝が折れてしまうのです。

落ちる蛍をすかさず受け止めようと、ギンは手を出して駆け寄りますが、とっさのところで触れてはいけないことに気づき、手を引っ込めるのです。

蛍は、他の木がクッションになったため助かりました。

2人は良かったと笑い合いますが...

ねえ、ギン。

何があっても絶対私に触らないでね。

絶対よ。

 

引用:蛍火の杜へ 蛍

そう言うと、蛍は泣き出してしまいました。

 

ここもつらいパートです...。

人間に触れられると消えてしまう、それは人間と接触してはいけないということですから、もちろんギンから人間に触れることもできません。

とっさに助けようとしたギンの優しさ、それができない悲しみが感じられます。

ギン自身が消えたくないのもあったと思いますが、うさぎは、ギンがこんなことで自分が消えてしまったら蛍が後悔するだろうと考えていたのかもしれない、と思いました。

いずれにしてもギンは優しいですし、蛍は怖い物知らずで大胆です。

蛍はギンと一緒に居たい、だから何があっても触らないで=消えないでということだと思います。

怖かった涙だったと思います。安堵の涙でもあったと思います。

その中に、本当にギンは人間じゃないのだ、という確信と、自分は一生ギンに触れることができないのだ、と分かった悲しみ、つらさも含まれていると思います。

迷子の子を助けるような優しい少年が、目の前で木から落下していく子供を助けない、とは考えにくいですし、現にギンは助けようとしました。

でも助けてはもらえなかった...。

本当につらいですが、お互いにお互いを大切に思っていることは一層、分かったような気がします。

 

とても長くなってしまいました!

ここで区切ろうと思います。

 

 

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/08/26