蛍火の杜へ を見た話④ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
第④回になりました。
蛍火に入ってから毎回長文になっていますが、今回も気にせずやってまいります!
途中で読むのに疲れてしまったらすみません...。
物語の内容について扱っております。
ここからはネタバレも含みますのでご注意ください。
前回は、木から落ちてしまった日のお話まで書いて終わりました。
蛍はいつしか小学校を卒業し、中学生になっても森へ通います。
中学生になって初めて森へ行った日には、中学校の制服姿を見せます。
蛍は、ギンと目線が近づいていることに気付きます。ギンは人間より成長が遅いことに気付くのです。
そして、自分は年齢を重ねるごとに変わり、ギンはずっと出会った頃のままで、その内ギンの歳を追い越してしまうだろうと予感しました。
心のどこかで、ギンが本当は人間ではないかと淡い期待をしていたものの、やはりそのようなことはなかったと気付かされてしまうのです。
蛍の心境は複雑になっていくばかりでした。
うーん...。とうとう中学生になりました。
6歳の時に出会ったのなら、もう7年目の夏になるのでしょうね。
毎年、ずっと会っているのですものね...。
どこかで約束を反故にして、会うのをやめてしまうこともなく、これだけ長く続くのですから、やはりお互いへの想いが年々深まっていると言えそうです。
蛍は中学生になると、今までの大胆な行動は抑えられ、年相応の振舞いをしだします。
蛍は成長しているのです。
ですが、ギンは変わりません。何か変わっているのかもしれませんが、見た限り、関わる限りでは変わっていないとしか思えません。
それが、蛍の願望を打ち砕いてしまいました。悲しいですね。
やはりこちら側ではないと、人間ではないとはっきり分かってしまった蛍の心中を察するに余りありです...。
蛍は縁側で祖父とスイカを食べます。
冬は寒いだろうと祖父が話すと、明日帰る蛍は、マフラーをギンにあげます。
そして、また来年と言って帰ります。
祖父の家から帰った蛍はより一層、物思いに耽ってしまいます。
寒さで道の水たまりが凍っていることに気づかない蛍は、同級生の男の子に声をかけられます。
その男の子が手を差し伸べると、何気なく蛍はその手を繋ぎます。
ギンに会いたい、ギンに触れたいと強く思うようになりました。
その頃、雪の降る山神の森では、ギンがマフラーを着けていました。
今まではあまり気付いていなかったのか、気にしていなかったのか、中学生になった蛍はギンの成長速度がおかしいということに気付きますね。
それから、やはり人間ではないと分かってしまい、期待も何もなくなってしまいます。
それから考え込んでしまうのです。思春期ですから特にそうですよね。
会いたい、触れたい、一緒にいたいという、どうにもならない想いが捨て切れずに募っていきます。叶わないと知っているのに、です...。
凍った道の上で滑って転んでしまったらとても危険なのに、それにすら気付きません。
蛍にとって、ギンという存在がどれほど多くを占めているのかが分かります。
手を差し伸べてくれた男の子は蛍に気があるのでしょう。手を繋いだ後、蛍は考え込んでいて放すこともないので、男の子も手を繋いだままです(確かそうだった気がしますが違ったらごめんなさい)。その時蛍は、こうやって触れることもできない、と考えていたと思います。男の子は人間ですが、ギンは違うから、というのを追いうちをかけるように実感したのではないかと考えています。他にも、窓の外を見てボーっとしている蛍に男の子は声をかけてくれますが、蛍はやはりそれどころではないので曖昧な返事しかしません。こうしてみると、男の子が随分と気の毒な気がします。しかし、恋愛とはそういうものなのでしょう(※筆者は恋愛経験がありません)。恋愛にも人生にも上手く行かないことは付き物でしょうが、ギンとの恋愛はかなり難しそうですね...。この男の子との関わりは、蛍が人間であることを強く示しているような気がします。
重く降り積もる雪は、ギンと蛍の互いへの想いが、次の夏までの間にどんどん募っていくように感じられました。
雪は冷たく、冬は寒く、離れ離れの時はお互いに寂しく辛いけれど、夏の日差しは暖かく、一緒にいる時は幸せだと感じていると思わされました。ですからなおさら、悲しいです...。
大変長くなってしまいました!!ここで切ります!
読んでくださりありがとうございました。
はな
2021/08/27