こんにちは。うさぎです。
今回も前回に引き続き書いて参りますが、前回からかなり涙腺が大変なことになってきておりますね!
第⑧回、気合を入れて頑張ります!
記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第8話
自分が誰かの『いつかきっと』を奪っていたことに気づいたヴァイオレットは、いつの間にかその身が、自分がしてきたことで燃え上がっていたことに気づきます。
ーー4年前。
北東戦域で拾われた「武器」と呼ばれた孤児の少女は、ギルベルトと出会いました。
言葉も話せない少女は、うつろな瞳でギルベルトを見つめます。
ギルベルトは少女を引き取り、上官の命で彼女を自分の部隊に入れることになりました。
ギルベルトは少女を、その名が似合う女性になるようにと願いを込めて、「ヴァイオレット」と名付けました。
ヴァイオレットはギルベルトのもとで、言葉を覚え、文字も書けるようになりました。
一方で、その呪われた才能とも言うべき並外れた戦闘能力で、次々と敵兵を倒していきます。
一人、また一人と、ヴァイオレットが敵兵の返り血を浴びるほど、ギルベルトの部隊は功績を讃えられ、ヴァイオレットの噂は「少佐の武器」として瞬く間に広まりました。
そして、ギルベルトの心は締め付けられていきました...。
それから月日は流れ、ヴァイオレットの活躍により、部隊は順調に作戦を成功させていきました。
部隊は、敵国から解放されたばかりのメヒティッヒの町を訪れます。
そこでは、人々が日ごろの感謝の気持ちを伝え合う祭りが行われていました。
ギルベルトはヴァイオレットに感謝の贈り物をしようと、欲しい物を尋ねました。
二人は通りを歩きます。
夜店で売られていたエメラルドのブローチの前でヴァイオレットは釘付けになりました。
「少佐の瞳があります」
何と言い表せばよいのか分からないほどの衝撃が、ヴァイオレットの体を駆け抜けます。
それが「美しい」だと知ったヴァイオレットは、「言葉が分からなかったので言ったことはありませんが、少佐の瞳は出会った時から『美しい』です」と伝えました。
その言葉を聞いたギルベルトは、例えようもない苦しみに胸をつまらせました。
南北大戦の決戦の地となる、聖地インテンス。
この地を制圧すれば、戦争は終わりへと向かいます。
ギルベルト部隊は内部への侵入に成功し、屋上から全軍突撃の合図を送りました。
しかし、ギルベルトに敵の銃口が向けられていることに、誰も気づいていませんでした。
この回は、今まで断片的にしか見ることができなかった、ヴァイオレットの過去についてのお話でしたね。
ヴァイオレットは孤児で、戦域にいたところを、ギルベルトの兄、ディートフリートに拾われてきたのでした。そして、戦争の道具として使うように言われ、肯定はしなかったものの、引き取ります。ギルベルトは誠実で真面目で優しい方だと思うので、子供を兵士にすることには反対だったと思いますし、孤児に対しての同情の気持ちが大きかったと思います。しかし、その圧倒的な戦闘力が故に、上層部からの命令には逆らえず、部隊に入れることになりましたね。ヴァイオレットは初め、言葉も話せず、まるで人とは言い難いような状態でした。そもそも他人を信用するという気持ちが無かったと思うので、あくまで自己防衛のために他人を攻撃したり、地面で丸くなって寝たり、他人が近づいてくると物理的にも距離を取ったりと、育った環境の過酷さを感じさせられました。ですが、ギルベルトにだけは心を許していた部分があったようです。
ヴァイオレットはギルベルトの下で様々なことを学び、成長していきますが、殺伐とした世界で生きているので感情の芽生えになりませんでした。わずかに心を動かされる感触がする、といった感じでしょうが、それがとてもギルベルトにはつらかったのでしょうね...。普通の子として育ててあげることができない自分に、とても憤っているような気がしました。ヴァイオレットはそれには気付くはずもなく、それでも変化はしていくので、その些細な変化の度にギルベルトの心は締め付けられたと思います。
今のヴァイオレットにもう一度出会ってほしいです。
あのような別れ方は悲しいですね。
今回はここまでにします。
読んでくださり、ありがとうございました。
はな
2021/09/08