うさぎの趣味のお部屋

月は好きだけど月に行きたいとは思わないうさぎ。

今年の夏が終わった

こんにちは。うさぎです。

蛍火の杜へ を見た話⑦ を書く予定でしたが、他に書きたいことがあったので、申し訳ないですが明日に回します。

勝手ですみません。

 

さて、何を書きたかったのか...

そう、今年の夏が終わったことについて書きます!!

それはタイトルじゃん! と思った方、良いツッコミですね!!ありがとうございます!

 

「第103回 全国高等学校野球選手権大会」通称「夏の甲子園」が昨日、閉幕しました。

うさぎ、実は高校野球を見るのが大好きなのです!

甲子園は予定がなければ毎年観ています!

 

現在、このような状況下ではありますが、今年は甲子園が開催されました。

昨年は交流試合ということになり、開催されませんでしたね。とても残念でした。

そして去年主役になるはずだった球児たちのことを考えると...何も言えなくなります。

今年は開催されましたが、"今"を考えると、素直に喜んでいいのか、悪いのか、筆者には分かりません...。

人命に絡んでくることが問題となってしまうと、それ以上優先されるべきものがないと思ってしまうのです。

ですが、夏の甲子園を目指し長い間努力を重ね、その夢を掴んだ球児たちを応援したいとも思いました。

だから、今年も例年と変わらず連日自宅で応援をしました。

 

結論から言いまして、とても、感動しました。

 

開会式では、小松大谷高校の野球部主将の木下くんが選手宣誓を行いました。

 

『高校球児の真(まこと)の姿を見せることを誓います』

 

という言葉で締めくくられていました。

この言葉がとても心に残っています。

 

今年の大会は穏やかではありませんでした。

続く長雨でノーゲームになった試合、幻のホームラン、ギリギリまで奮闘したけれど降雨コールドになってしまった試合、グラウンド状況も大変なものでした。

また、新型コロナウイルス感染のため出場辞退を余儀なくされた学校、入場制限のため応援に行くことができなくなった吹奏楽部、チア部の方々など、"今まで通り"とはいきませんでした。

 

しかし、与えられた環境がどのようなものであれ感謝し、礼儀正しく、一生懸命に野球をする姿を見ることができました。

それこそが、真の姿であると筆者は感じたわけです。

アクシデントで動けなくなった生徒に駆け寄る両校の選手、泥だらけになってしまった審判にすぐに駆け寄る選手......たくさんの思いやりもありました。

勝負をしに来ているわけですから、一勝もできなかった学校も、たくさん勝った学校ももちろんありますが、どの球児たちも輝いていました。そして、お互いを尊重し合っていたと思います。

 

きっとたくさんの想いを背負ってそこに立っていたのだと思います。

夢に手が届かなかった人もいると思います。

どれほどの努力をしてきたのか、それが報われたのか、筆者には分からないことです。

でも、頑張っていない人はいない、と応援していて思いました。

 

また来年は、もっと落ち着いた状況で大会が開催されればよいなと思います。

素直に喜ぶことができるような日が来ることを願ってやみません。

 

いつか甲子園球場で夏を見たいです。

 

 

読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

はな

 

 

 

2021/08/30

蛍火の杜へ を見た話⑥ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

とうとう6回になりました。

劇場版幼女戦記を書いた時は2回で終わったのに......まあ、あの記事は内容が薄いので仕方ないですね(笑)

蛍火も内容が濃いかは分かりませんが、今回が最後になると信じて頑張っていきます!

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本編の内容を扱っています。

以下より、ネタバレも含みますのでご注意ください。

 

 

 

前回は蛍が高校生になった所までで終わりました。

蛍はギンのことを忘れないと言いました。

 

その夏、ギンは妖怪たちの祭りに蛍を誘います。

それは、妖怪たちが人間のマネをして遊ぶ祭りでした。お面をした者や、異様の者、人間の姿に化けている者などが集まっていました。

そこには時々、人が迷い込むこともあると聞きます。

ギンは蛍に、迷子にならないよう手を繋ぐ代わりに、手ぬぐいを手首に結ぶように言います。

ギンも、自分の手首に手ぬぐいの片方を結びつけます。

2人は花火を見たり、屋台を楽しんだりします。

歩いている時、ギンは言います。

俺、もう夏を待てないよ

離れていると、人混みをかき分けてでも蛍に逢いに行きたくなるよ

 

引用:蛍火の杜へ ギン 

そして、自分のお面を外すと、やるよと言って蛍に着けます。

そして、お面越しに蛍にそっと口づけます

すると蛍は、こう思うのです。

きっともう、彼は次の夏

あの場所へはこないでしょう

きっとこれが、最後の...

 

引用:蛍火の杜へ 蛍 

 

何だか、いよいよって感じがしますね...。

蛍に忘れても良いと言ったものの、蛍はギンのことを忘れようとしませんでした。

だから、ギンも本当の気持ちを話しましたね。人混みをかき分けるということは、消えてしまうということです。一年の内夏しか会えないが、それを待っていられない、消えても良いと思えるくらい蛍に逢いたいと。それほど蛍を想っていることが伝わります。人間か妖怪なら、逢いに行くことができたかもしれません...。

そして手ぬぐいで手を繋ぐ所は、ドキドキしましたし、同時につらくなりました。実は昔、蛍が小さい頃にギンと森で遊んだ時に、蛍が「デートみたいですねー」と言い、ギンが「色気のないデートですねー」と返すシーンがあります。このお祭りのシーンでは、蛍が「デートみたいですねー」と言うと、ギンは「デートなんですねー」と返すのです...!手を繋ぎたいのに繋ぐことができない、デートなのにできない、だからいつも通りなのではなく、繋がっていると実感できるような方法を取ります。お互いに気持ちは伝えあっていないですが、誰よりもお互いの気持ちを知っている、そんな感じがしました。蛍は最初からギンを好きだった、もしくは意識していた可能性がありますが、ギンは、蛍が成長するにつれて恋愛対象として見始めたという感じがしますね。2人が浴衣を着て歩く所はとってもお似合いでした。

キスしましたね...。もう何だか最後って気がしませんか?

蛍も何となく予想してますしね、もう逢えないって。

ちなみにあの場所というのは、2人が待ち合わせをしていた神社の鳥居辺りの所です。

さて、この先どうなるのでしょうか...。

 

並んで歩く2人の横を子供が通り過ぎます。

子供は走っていて、2人の目の前で転びそうになりました。

危ない、と転びかけた子供の手をギンは掴みます。

ギンの手が光り出します。

ギンは、掴んだ子供が人間だったのだと気付きます。

そして...

来い、蛍

やっとお前に、触れられる

 

引用:蛍火の杜へ ギン

そう言って、両手を広げます。

ギンは全身が光り、少しずつ消え始めていました。

蛍は、笑顔で飛びつきます。

好きだよ」とギンは言い、蛍も「ええ、私もよ」と返します。

2人は一瞬だけ抱きしめ合い、そしてギンは消えます

残った浴衣を抱きしめ、地面に崩れ落ちながら蛍は泣きます。

しばらく夏を心待ちにはできない、と蛍は思います。

 

一人になってしまった帰り道、ギンを知る妖怪たちから声をかけられます。

やっと消えてもいいと思ったんだね、やっと人に抱きしめてもらえたんだね、と。

 

数年後、ギンに話した通り、祖父の家のある、山神の森のあるこの地で、就職をしようと蛍は帰ってきます。

 

 

以上で本編が終了となります。

驚きの最後でした。

人間の子が混ざっていたとしても、あの環境なら気付くことは難しかったと思います。

だから妖怪だと思って触れてしまいました。うさぎはそう考えていますが、蛍に罪悪感を残させないため、これ以上あやふやな存在に付き合ってもらわないために、人間と知っていながらわざと触れた、という考えもあるようです。皆様はどうお考えでしょうか...?

2人が抱き合うシーンは、お互いに笑顔でとてもとても幸せそうでした。

想いを伝えあうことができて良かったと思います。

しかし、本当に一瞬で消えてしまいます。

お互いに心待ちにしていた瞬間は一瞬でした。そこがとても残酷だったと思います。

出会ってから実に10年です。10年間求め続けたものが手に入ったのは、1分もなかったように感じます。

でも、一瞬でも触れ合うことができて良かったと思います。

最期の言葉は、ありがとうとか楽しかったとか、幸せだったとかじゃないんです。

色々伝えたいことがある中で、一番伝えたい気持ちを、お互いに伝えあったと思います。相手を想う気持ち、告白ですね。とはいえ、もう2人とも気付いていたとは思いますがね!

大好きな人に抱きしめてもらいながら、ギンの儚い命は消えます。残された蛍にとっては相当つらいものだと思いますが、最期をこのような形で見届けられて良かったのではと感じます。

だって、お祭りで消えなかったとしてももう逢いに来てくれなかったら、ギンがどうしているのかも、どうやって消えたかも知ることはできないのですから。

 

 

次回で最終回にしたいと思います。

 

今回も長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

はな 

 

 

 

2021/08/29

蛍火の杜へ を見た話⑤ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

5回目となりましたが、あと2、3回程度で終わると予想を立てております...!

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本記事も長文になる予定です!

是非最後までお付き合いください!!

 

 

この記事では本編の内容を扱います。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

前回の記事では、中学生の蛍について書いて終わりました。

 

蛍はあっという間に高校生になります。

また制服で、ギンのいる森へと行きました。

蛍が最近は飛びついてこないとギンは笑います。

昔、飛びつこうとする度に棒で殴られていたからだ、と蛍は返します。

 

蛍、ついに高校生になりました...!

この頃になってくると、背も伸びますし大人っぽい雰囲気も出ていて、何より表情や言動に落ち着きがあります。

もうギンと並んでも違和感がないくらいにお似合いになります。

成長していく過程がとてもよく表現されているので、細部にも注目して見て欲しいくらいです。

蛍はもう子供ではない、と実感させられてしまいました...。

 

そして蛍は、その夏にギンにこう言います。

卒業したらこっちのほうで仕事を探すつもりなの。

そしたらもっと一緒にいられるわ。

秋も、春も、冬も。

 

引用:蛍火の杜へ 蛍

それを聞いたギンは、ついに秘密を打ち明けます。

自分は妖怪でもなく、もはや人でもないのだと。

赤ん坊の頃に森に捨てられ、本当ならその時に死ぬはずだったけれど、山神様が情けで生かしてくれている、成仏できない魂なのだと。

妖術で保たれている体はとても脆い。

本物の人の肌に触れると術が解けて消えてしまう、そんなあやふやなもの。

 

引用:蛍火の杜へ ギン

だから、自分のことは忘れてしまっていいのだと、ギンは言います。

すると、蛍はこう言うのです。

私ね、ギン。

冬の間も、ギンのことを考えていた。

秋も、春も。

ギン。

忘れないでね、私のこと。

 

引用:蛍火の杜へ 蛍 

 

 

つらいです。

とうとうギンがどういう存在なのかが明かされましたね。

人間でも、妖怪でもないあやふやな存在だから、自分のことは忘れていいのだと言います。

でも蛍は忘れないという代わりに、1年中ギンのことを考えていると答えます。

蛍はもう分かっているはずです。ギンはこの先、人間に触れることがなければ人間より長く生きるだろうと。今までにどのくらい生きてきたのかは想像もつきませんが、今後の長い年月の中で、自分のことをずっと覚えていてほしいのだと言っています。

それはつまり、自分はギンに絶対触れないから、と言っているようなものだと思います。

そして、小さい頃の約束を、何があっても蛍に触れない、という約束を、ギンは守り通してくれると信じているのだと思います。

もうお互いに想い合っていますよね。

あやふやな存在に付き合わず、自分の道を生きて欲しいとギンは願っています。

しかし彼の生涯は寂しいものではないでしょうか。

人間として生まれたのに愛情を受けず、友情を受けず、かろうじて生を受けることはできたもののそれはあやふやであり、自分が生きるはずだった人生を生きることはできない。

そんなギンにとって蛍は特別な存在であると思います。だからこそ、蛍には幸せになって欲しいと思っていると思うのです。

蛍は、たとえギンがどうやって生きていようとも、どのような存在であろうとも、触れることができなかったとしても、あの日受けた優しさを忘れることなく、ずっとギンといたいと考えています。それがギンにとっての救いになり、蛍の幸せにもなっていると思います。

 

人間の蛍と、人間でも妖怪でもないあやふやな存在のギン、2人の想いが通じ合う時はくるのでしょうか...そして、この先はどうなるのでしょうか...。

 

 

この続きは次回にします!

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

 

はな

 

 

 

2021/08/28

蛍火の杜へ を見た話④ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

第④回になりました。

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蛍火に入ってから毎回長文になっていますが、今回も気にせずやってまいります!

途中で読むのに疲れてしまったらすみません...。

 

 

物語の内容について扱っております。

ここからはネタバレも含みますのでご注意ください。

 

 

 

前回は、木から落ちてしまった日のお話まで書いて終わりました。

 

蛍はいつしか小学校を卒業し、中学生になっても森へ通います。

中学生になって初めて森へ行った日には、中学校の制服姿を見せます。

蛍は、ギンと目線が近づいていることに気付きます。ギンは人間より成長が遅いことに気付くのです。

そして、自分は年齢を重ねるごとに変わり、ギンはずっと出会った頃のままで、その内ギンの歳を追い越してしまうだろうと予感しました。

心のどこかで、ギンが本当は人間ではないかと淡い期待をしていたものの、やはりそのようなことはなかったと気付かされてしまうのです。

蛍の心境は複雑になっていくばかりでした。

 

うーん...。とうとう中学生になりました。

6歳の時に出会ったのなら、もう7年目の夏になるのでしょうね。

毎年、ずっと会っているのですものね...。

どこかで約束を反故にして、会うのをやめてしまうこともなく、これだけ長く続くのですから、やはりお互いへの想いが年々深まっていると言えそうです。

蛍は中学生になると、今までの大胆な行動は抑えられ、年相応の振舞いをしだします。

蛍は成長しているのです。

ですが、ギンは変わりません。何か変わっているのかもしれませんが、見た限り、関わる限りでは変わっていないとしか思えません。

それが、蛍の願望を打ち砕いてしまいました。悲しいですね。

やはりこちら側ではないと、人間ではないとはっきり分かってしまった蛍の心中を察するに余りありです...。

 

蛍は縁側で祖父とスイカを食べます。

冬は寒いだろうと祖父が話すと、明日帰る蛍は、マフラーをギンにあげます。

そして、また来年と言って帰ります。

祖父の家から帰った蛍はより一層、物思いに耽ってしまいます。

寒さで道の水たまりが凍っていることに気づかない蛍は、同級生の男の子に声をかけられます。

その男の子が手を差し伸べると、何気なく蛍はその手を繋ぎます。

ギンに会いたい、ギンに触れたいと強く思うようになりました。

その頃、雪の降る山神の森では、ギンがマフラーを着けていました。

 

今まではあまり気付いていなかったのか、気にしていなかったのか、中学生になった蛍はギンの成長速度がおかしいということに気付きますね。

それから、やはり人間ではないと分かってしまい、期待も何もなくなってしまいます。

それから考え込んでしまうのです。思春期ですから特にそうですよね。

会いたい、触れたい、一緒にいたいという、どうにもならない想いが捨て切れずに募っていきます。叶わないと知っているのに、です...。

凍った道の上で滑って転んでしまったらとても危険なのに、それにすら気付きません。

蛍にとって、ギンという存在がどれほど多くを占めているのかが分かります。

手を差し伸べてくれた男の子は蛍に気があるのでしょう。手を繋いだ後、蛍は考え込んでいて放すこともないので、男の子も手を繋いだままです(確かそうだった気がしますが違ったらごめんなさい)。その時蛍は、こうやって触れることもできない、と考えていたと思います。男の子は人間ですが、ギンは違うから、というのを追いうちをかけるように実感したのではないかと考えています。他にも、窓の外を見てボーっとしている蛍に男の子は声をかけてくれますが、蛍はやはりそれどころではないので曖昧な返事しかしません。こうしてみると、男の子が随分と気の毒な気がします。しかし、恋愛とはそういうものなのでしょう(※筆者は恋愛経験がありません)。恋愛にも人生にも上手く行かないことは付き物でしょうが、ギンとの恋愛はかなり難しそうですね...。この男の子との関わりは、蛍が人間であることを強く示しているような気がします。

重く降り積もる雪は、ギンと蛍の互いへの想いが、次の夏までの間にどんどん募っていくように感じられました。

雪は冷たく、冬は寒く、離れ離れの時はお互いに寂しく辛いけれど、夏の日差しは暖かく、一緒にいる時は幸せだと感じていると思わされました。ですからなおさら、悲しいです...。

 

 

大変長くなってしまいました!!ここで切ります!

 

 

読んでくださりありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/08/27

蛍火の杜へ を見た話③ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

 

蛍火の杜へを見た話の続きを書いて行きます。

③となりましたが、一体何回まで行くのかうさぎにも分かりません。

最後の回では、うさぎがただ思ったことだけを書くこともやろうかな~なんて思っています。

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本編の内容を扱っています。

ネタバレを含みますので、ここからはお気をつけください。

 

 

前回は、来年も会うことを約束した所で終わりました。

 

そして約束の来年の夏、蛍は山神の森へ行きます。ギンも、そこで蛍を待っていました。また二人は一緒に遊びます。

 

あるとき、ギンと蛍が森を歩いていると、木の中から大きな手が出てきます。

それは人の子だ。

触れられたらお前は消えてしまう。

 

引用:蛍火の杜へ 妖怪

こう言って、手はギンをかばおうと、守るような動作をします。その妖怪に大丈夫だとギンは言いますが、妖怪は蛍に、絶対にギンに触れないよう言います。

 

ここで、森に住む者たちはギンを慕っていることが分かります。ギンに消えて欲しくないと思っているのです。だから、守ろうとします。そして、前にも書いた通り、妖怪たちはギンを守ろうと、蛍に手を出そう(危害を加えよう)と考えてはいるものの、ギンが大丈夫だと言えば彼らは手を出してきません。ギンがそう言うのであれば、という感じなのです。

ギンが妖怪たちにとってかけがえのない存在であり、愛すべき存在であり、守るべき存在であり、また信頼できる存在であると分かります。

 

一方、蛍は、妖怪たちはギンに触れることができるが、自分は触れることができないということを改めて実感するのです。

 

この部分がつらい所だと思うのです。

お面を着けてはいるけれど姿は人間そのものです。お面を外して見れば、まるで人にしか見えません。そんなギンは、こちら側の存在ではないと明確に自覚するシーンなのです。

触れたら消えてしまう、けれどそのことを実践することはできない。なぜなら、もし本当に消えてしまったら取り返しのつかないことになるからです。蛍にとって、人間に近いギンがどちら側の存在なのかを確かめるには触れるしかありませんが、それができないから確証を得ることができません。ですがこのシーンで、少なくとも人間側に近くはない、と分かりました。

きっと、自分と彼の間には距離があるのだと感じたと思います...。

 

そして、ある出来事が起こります。

幾度か夏を繰り返したある日、蛍は木登りをしていました。

蛍はギンの驚いた顔を見ようと、木の上からギンを驚かします。

すると、蛍のいた部分の枝が折れてしまうのです。

落ちる蛍をすかさず受け止めようと、ギンは手を出して駆け寄りますが、とっさのところで触れてはいけないことに気づき、手を引っ込めるのです。

蛍は、他の木がクッションになったため助かりました。

2人は良かったと笑い合いますが...

ねえ、ギン。

何があっても絶対私に触らないでね。

絶対よ。

 

引用:蛍火の杜へ 蛍

そう言うと、蛍は泣き出してしまいました。

 

ここもつらいパートです...。

人間に触れられると消えてしまう、それは人間と接触してはいけないということですから、もちろんギンから人間に触れることもできません。

とっさに助けようとしたギンの優しさ、それができない悲しみが感じられます。

ギン自身が消えたくないのもあったと思いますが、うさぎは、ギンがこんなことで自分が消えてしまったら蛍が後悔するだろうと考えていたのかもしれない、と思いました。

いずれにしてもギンは優しいですし、蛍は怖い物知らずで大胆です。

蛍はギンと一緒に居たい、だから何があっても触らないで=消えないでということだと思います。

怖かった涙だったと思います。安堵の涙でもあったと思います。

その中に、本当にギンは人間じゃないのだ、という確信と、自分は一生ギンに触れることができないのだ、と分かった悲しみ、つらさも含まれていると思います。

迷子の子を助けるような優しい少年が、目の前で木から落下していく子供を助けない、とは考えにくいですし、現にギンは助けようとしました。

でも助けてはもらえなかった...。

本当につらいですが、お互いにお互いを大切に思っていることは一層、分かったような気がします。

 

とても長くなってしまいました!

ここで区切ろうと思います。

 

 

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/08/26

蛍火の杜へ を見た話② (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

前回から「蛍火の杜へ」についての記事を書いております。

今回もその続きです。

htmt167.hatenablog.jp

 

ネタバレを含みます。

少しでもネタバレされるのが嫌だという方は、この時点で戻ってくださいね。

 

 

前回は、初めてギンに出会い、森の外まで送ってくれた所までで終えました。

 

その次の日、蛍は約束通りまたギンに会いに行きます。

ギンは蛍を見送った場所で、蛍が来るのを待っていました。

二人は再開します。

ギンは蛍を涼しい場所に連れて行きますが、その道中、妖怪に出会います。

人の子、ギンの肌に触れてくれるなよ。

触れればわしがお前を食ってやるぞ。

 

引用:蛍火の杜へ 妖怪

ギンがくしゃみをしたことにより、その妖怪は逃げて行きますが、ギンは森に住む者から心配されているのでした。

 

前回もくどいほど書きましたが、ギンは妖怪ではありません。

ですが、妖怪に心配されています。

夏目友人帳の世界では、多くの妖(あやかし)は人間を嫌っていました。蛍火の杜への世界は、夏目友人帳と繋がりがあるわけではないと思いますが、うさぎは蛍火の世界でも妖怪はあまり人間のことを好いていないと考えています。

つまり、ギンはきっと人間でもないのだと思いました。

 

次の日も、その次の日も蛍は森へ通います。夏休みが続く間、ずっと森へ来たのです。

山の中を駆け巡って遊ぶだけの日々でしたが、蛍にとってはどんな些細なことでも楽しくて仕方ありません。

ですがある日、草原で眠っているギンを見つけ、蛍はギンのキツネのお面を取ります。

 

このシーン、結構ヒヤヒヤしながら見てました。

触れたら消えてしまう、それが本当かはこの時点では分かりませんが、ギンの素行からすると本当です。

蛍は素直で優しい子だと思っていますが、たまにすごく大胆になりますね。

森へ入ったことや、少しでも触れてしまう危険があるギンのお面を取ろうとする行為など...。

少しでも手が滑ってギンに触れてしまったら...とドキドキしてしまいました。

そして素顔をさらしたギン!すごくカッコいいです!髪は色、瞳は色か色でしょうか...?はっきりとは見えませんでしたが、素敵な顔でした。

 

そこにあったのは、端正な顔立ちの、妖怪とは思えない、まるで人間と思わせるような顔でした。

ギンは狸寝入りをしていたのですぐに目を開けます。

こんな面でもつけていないと 、妖怪には見えないだろう?

 

引用:蛍火の杜へ ギン

蛍にはギンのこの言葉の意味が分かりませんでした。

そしてその日の帰り道、蛍は、明日からはここに来られないということをギンに告げるのでした。

蛍は夏の間だけ(おそらく夏休み)、山神の森がある祖父の家に遊びに来ていたのです。

それを聞いたギンは、蛍に来年も来られるかと聞きます。

蛍は次の夏を心待ちにするようになります。

 

わあいいですね。待ってくれる人がいるのって素敵ですね。

それはさておき、来年の約束って確証がないと思うんです。

それでも楽しみに思ってしまうのが人間性ですかね...。

蛍はこれからきっと小学校でしょう。ギンは高校生くらいに見えます。

普通ならあまりにも歳の差があって一緒に遊べなさそうな気がしますが...今後の展開に関わるので、ここでは、ここでは伏せておきますね!!

 

少し長くなってしまったのでここで切ります。

 

 

 

読んでくださりありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/08/25

蛍火の杜へ を見た話 (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

今回は、ある一本の短編アニメ映画についての話を書いて行きたいと思います。

その映画とは、「蛍火の杜へ」です。

およそ2、3年前に見ました。

先に言ってしまいますが、感動で泣きました。

 

この記事では作品の内容について扱います。

勿論、ネタバレも含みます

まだ見視聴だからネタバレはされたくないよという方は戻ってくださいね。

 

 

この作品は2011年に公開されました。

どこかで見たことがあるような絵柄だ...と思って調べましたら、やはり「夏目友人帳」の方と同じ作者さんで、製作スタッフさんも同じでした。

 

主人公の名前は、竹川。女の子です。

毎年夏休みに祖父の家に遊びに来ています。6歳の時、妖怪が住むといわれる山神の森で迷子になってしまいます。そんな中、とある存在と出会います。

それが、ギンです。

ギンは銀髪で、キツネのお面をつけた少年でした。

道に迷って疲れてしまい動けなくなり、寂しさや怖さで泣いていた蛍を見かけたギンが、姿を現し声をかけます。

蛍は人間に出会えた安心感から、抱きつこうとします。

 

そりゃあまだ小学校に上がっていないような年齢ですから、怖いですよね。それに、妖怪が住むなんて言われたら普通森には入れないと思います。

 

しかし、蛍が抱き留めてもらえることはありませんでした。

そう、ギンにはある秘密があったのです。

おれは人間に触れられると消えてしまう。

消えるってのは消滅するって意味だ。山神様がそういう術をおれにかけてる。おれは人間に触れられたら最後。それでおしまいだ。 

 

引用:蛍火の杜へ ギン

 ギンは人間ではありません。そして妖怪でもありませんでした。

これが、この物語の中でのキーポイントですね。

蛍は反省し、触れることのないように気を付けます。

 

それにしても、ギンはカッコいいですね~!CVが内山昂輝さんで、ぴったりだと思います!

しかしながら、ギンがこういう設定の時点で、どことなく悲しい感じがします。やはり。この先が気になりますね!

 

蛍は、何度も勢い余ってギンに触れそうになります。その度に避けていられなくなったギンは木の棒を手に持ち、蛍に触れられてしまう前に棒で叩きます。

 

そこまで強く叩くわけではないですよ!?

 

そして、手を繋ぐことができない代わりに、木の棒の端と端をお互いに持ち、森の出口までギンは蛍を案内します。

蛍は、また明日会いに来ると約束し、森を出ます。蛍は探しに来た祖父に合流し怒られてしまいますが、祖父は妖怪に関する昔話をしてくれました。

 

ギンって、とっても優しいと思うんです。

ギンにとって、人間に触れられてしまうということは、消滅すること、すなわち死なんです。だから、絶対に蛍に触らせませんでした。

ですが、消滅することを嫌がる、つまり死にたくないのであれば、そもそも人間である蛍を助けるのはあまりにもリスクが高いと思うのです。

それでも、蛍を助けてくれました。

何度も触れられそうになる、という危機を与えられながらも、見捨てることなく森の出口まで蛍を送りました。

この優しさは、人間性に近いものだと思います。

ここで思い出さなくてはならないのは、ギンは人間ではないということです。

しかし、ギンは妖怪でもありません。

それでは一体ギンは何者なのか、それが、今後少しだけ分かります。

(うさぎが勝手に少しだけだと思っていますが...)

 

長くなってしまったので、分割して記事にしようと思います。

 

 

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/08/24