蛍火の杜へ を見た話⑤ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
5回目となりましたが、あと2、3回程度で終わると予想を立てております...!
本記事も長文になる予定です!
是非最後までお付き合いください!!
この記事では本編の内容を扱います。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
前回の記事では、中学生の蛍について書いて終わりました。
蛍はあっという間に高校生になります。
また制服で、ギンのいる森へと行きました。
蛍が最近は飛びついてこないとギンは笑います。
昔、飛びつこうとする度に棒で殴られていたからだ、と蛍は返します。
蛍、ついに高校生になりました...!
この頃になってくると、背も伸びますし大人っぽい雰囲気も出ていて、何より表情や言動に落ち着きがあります。
もうギンと並んでも違和感がないくらいにお似合いになります。
成長していく過程がとてもよく表現されているので、細部にも注目して見て欲しいくらいです。
蛍はもう子供ではない、と実感させられてしまいました...。
そして蛍は、その夏にギンにこう言います。
卒業したらこっちのほうで仕事を探すつもりなの。
そしたらもっと一緒にいられるわ。
秋も、春も、冬も。
引用:蛍火の杜へ 蛍
それを聞いたギンは、ついに秘密を打ち明けます。
自分は妖怪でもなく、もはや人でもないのだと。
赤ん坊の頃に森に捨てられ、本当ならその時に死ぬはずだったけれど、山神様が情けで生かしてくれている、成仏できない魂なのだと。
妖術で保たれている体はとても脆い。
本物の人の肌に触れると術が解けて消えてしまう、そんなあやふやなもの。
引用:蛍火の杜へ ギン
だから、自分のことは忘れてしまっていいのだと、ギンは言います。
すると、蛍はこう言うのです。
私ね、ギン。
冬の間も、ギンのことを考えていた。
秋も、春も。
ギン。
忘れないでね、私のこと。
引用:蛍火の杜へ 蛍
つらいです。
とうとうギンがどういう存在なのかが明かされましたね。
人間でも、妖怪でもないあやふやな存在だから、自分のことは忘れていいのだと言います。
でも蛍は忘れないという代わりに、1年中ギンのことを考えていると答えます。
蛍はもう分かっているはずです。ギンはこの先、人間に触れることがなければ人間より長く生きるだろうと。今までにどのくらい生きてきたのかは想像もつきませんが、今後の長い年月の中で、自分のことをずっと覚えていてほしいのだと言っています。
それはつまり、自分はギンに絶対触れないから、と言っているようなものだと思います。
そして、小さい頃の約束を、何があっても蛍に触れない、という約束を、ギンは守り通してくれると信じているのだと思います。
もうお互いに想い合っていますよね。
あやふやな存在に付き合わず、自分の道を生きて欲しいとギンは願っています。
しかし彼の生涯は寂しいものではないでしょうか。
人間として生まれたのに愛情を受けず、友情を受けず、かろうじて生を受けることはできたもののそれはあやふやであり、自分が生きるはずだった人生を生きることはできない。
そんなギンにとって蛍は特別な存在であると思います。だからこそ、蛍には幸せになって欲しいと思っていると思うのです。
蛍は、たとえギンがどうやって生きていようとも、どのような存在であろうとも、触れることができなかったとしても、あの日受けた優しさを忘れることなく、ずっとギンといたいと考えています。それがギンにとっての救いになり、蛍の幸せにもなっていると思います。
人間の蛍と、人間でも妖怪でもないあやふやな存在のギン、2人の想いが通じ合う時はくるのでしょうか...そして、この先はどうなるのでしょうか...。
この続きは次回にします!
読んでくださり、ありがとうございました。
はな
2021/08/28