うさぎの趣味のお部屋

月は好きだけど月に行きたいとは思わないうさぎ。

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑩ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

前回に引き続き書いて行きます!

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

今回もとっても気合を入れて頑張ります!!

 

 

 

記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第10話 「愛する人は ずっと見守っている」

 

マグノリア家の屋敷につながる白樺の一本道を、大きなお人形が日傘を差して歩いて来ました。

冬の初め、屋敷にやってきた自動手記人形、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンです。

 

マグノリア家の一人娘アンは、好奇心旺盛でお母さんが大好きな女の子です。

けれど、最近は気分が晴れません。

母の体調が芳しくない上に、訪ねてくる客が後を絶たないのです。

一緒におままごとをすることも、本を読むことも、虫を捕まえることもできません。

手紙を書くために母が招いたという「お人形」も、きっと私から母を奪う存在に違いありません。

 

それから、母はヴァイオレットと二人きりでアンに内緒の手紙を書き始めました。

母に近づくことを許されていないアンの心には、ますます不安が募ります。

 

アンは、誰に充てたものかもわからない手紙を書くより、少しでも自分と一緒にいて欲しいと願います。

それが叶わないのなら、「せめて手紙を書いている側でお母さんの手を握らせて欲しい」と訴えます。

なぜなら、もう母に残された時間がないことを知っているからです......。

 

それすらも許されず、アンは胸が張り裂けそうになり、屋敷を飛び出します。

わがままを言って、母を悲しませたいわけではないのに、涙が止まりません。

「手紙なんて届かなくていい」と泣きじゃくるアンに、ヴァイオレットは優しく告げます。

「届かなくていい手紙なんて、ないのですよ」

そう言って、ヴァイオレットはアンをそっと抱きしめました。

 

ヴァイオレットが依頼を終え、屋敷を去る日になりました。

アンは、ヴァイオレットのあたたかな頬に小さなキスをしました。

その時、ヴァイオレットが「お人形」ではなかったと知ります。

ヴァイオレットは、愛らしいアンに優しく微笑みかけました。

 

ヴァイオレットがアンに内緒で代筆した手紙、それは、50年間にわたってアンの誕生日に届く、母からの手紙でした。

将来、母が亡き後も、アンは手紙によって母の愛情を受けて育つのです。

 

遠く離れたところにいる、母に見守られながら。

 

 

 

第10話、感動で大号泣しました。

つらくて、苦しくて、悲しくて、でも優しい、温かい、そんな意味で胸が締め付けられる素敵なお話でした。

実は、まだヴァイオレット・エヴァ―ガーデンを見ていない時に、10話の内容のネタバレをくらいました。なるほどなるほど、それで皆さん泣けたと仰っているのね、ならもう内容を知ったうさぎは泣かないわ、と思い見ていたら...考えが甘かった...!何回見ても泣けました!!!声を大にして言いたいです!

これは泣けます!!!!!!

取り乱しました。大変失礼致しました。

まず、この話はアンに焦点がとても当てられていました。アンは最初、ヴァイオレットのことを本物のお人形だと思っていました。ドールと言っても意味は違うのですが、ヴァイオレットは美しく、表情があまりないのでお人形にも見えるかもしれません。アンは好奇心旺盛ですので、ヴァイオレットがお茶を飲んだ時驚いて、飲んだお茶はどうなるのかと聞いていました。ヴァイオレットも上手に答えていましたね。

ヴァイオレットと奥様が代筆の作業をしている間は、アンは近づくことができません。隣の部屋からその様子を眺めたり、一人で遊んだりするしかないのです。とてもとても寂しそうで、可哀想になりました。奥様は体調が優れない時も多く、その時はアンがヴァイオレットの相手をしてあげる、といって二人で遊んでいました。アンもだんだんとヴァイオレットになついてきます。以前までのヴァイオレットなら、子供と遊ぶことはできなかったでしょうが、今のヴァイオレットには子供の遊びにも付き合えるようになっており、大きく成長していました。

それでも、アンはお母さんが心配で手紙を書くのをやめて、一緒にいて、と度々訴えます。それが悲痛で見ていられませんでした。屋敷に来るのは、屋敷などの財産を狙う人ばかりで、奥様のことを心配している人がお見舞いに来ているようには見えませんでした。遠くにいる大切な人に書いている、と言っていましたが、お見舞いに来ないような人が私より大切なの、と言います。アンがお母さんのことを思う気持ちと、お母さんがアンのことを思う気持ちは同じはずなのに、言葉にすることができないからこそすれ違ってしまっていて、本当につらかったです。そして、アンのお父さんは立派な戦死を遂げられた、これもつらいものでした。せめてお父さんが帰還していれば、アンは一人になってしまうことはなかったかもしれません。元軍人のヴァイオレットには、何か感じることがあったかもしれません。自分も戦争で少佐を失った、愛する気持ちは完全にはわからないけれど、ヴァイオレットもきっとアンの気持ちが分かったのではないのでしょうか。

アンは子供らしくもあり、賢くもあったと思います。お母さんがもうほとんど生きられないことにも気づいていました。だからこそ、大好きだからこそできるだけ長く一緒にいたかったと思います。その思いをぶつけた後、お母さんが泣いてしまったのと、それでも手紙をやめてくれなかったので、アンは屋敷を飛び出し泣きじゃくります。ヴァイオレットが追いかけ、なぐさめます。お母さんを泣かせてしまった、アンの母を思う気持ちと優しさに泣きました。手紙は、伝えたい思い、言葉では伝えることができない思いを伝えるもの、だからこそ、届かなくてよい手紙などないと諭します。奥様がアンに毎年伝えたい思い、自分はもうその頃には生きていないから、直接言葉で伝えることができない思いを、手紙は届けてくれるということに気づき、感動しました。

ヴァイオレットが帰る日になりました。EDテーマが流れ始め、涙腺が危うかった頃です。

アンが、お母さんは誰に手紙を書いていたんだろう、ヴァイオレットの手紙、読んでみたかったな、と思うシーンの後、アンに手紙が届くシーンになります。一緒に遊んだ家には、もう奥様の姿はありません。けれど、母親から愛する娘に、毎年一通の誕生日の手紙が届いて、愛を知るのです。音楽と映像が相まって号泣しました。アンはだんだん成長していき、好きな人ができ、結婚し、母親になります。大好きなお母さんと過ごした家で、新しい家族と暮らすのです。その間も、ずっと遠くから、愛する人は見守っているのです。

会社に戻ったヴァイオレットは泣きます。アンの気持ちになって泣くのです。ヴァイオレットが、感情を大きくあらわにします。ここも、とても感動しました。もう道具ではありません。誰かに寄り添うことができるドールになったと思います。

本当に、とても感動しました。

 

 

長くなってしまいましたが、ここで終了します。

読んでくださりありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/10

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑨ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

前回に続いて、張り切っていきます!

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

ですが、前回から心ははち切れそうです...。

頑張ります。

 

 

 

記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第9話 「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」

 

インテンス奪還作戦中、ギルベルトは敵の銃弾を受け、致命傷を負います。

動けなくなったギルベルトを連れてヴァイオレットは逃げようとします。

その時、さらに攻撃を受け、両腕は、銃撃と手りゅう弾で失われてしまいました。

ギルベルトが何度逃げろと告げようとも、ヴァイオレットはその場を離れようとしません。

絶対に死なせない、とギルベルトの服を歯で噛んで引きずって行こうとします。

もうやめてくれ、とギルベルトは言います。

 

ギルベルトはヴァイオレットに微笑みかけます。

「生きて、自由になりなさい。心から......愛してる」

ですが、ヴァイオレットには言葉の意味が理解できません。そして、悲痛に訴えるのでした。

「私......わかりません、少佐。「あい」ってなんですか......?」

 

敗北を悟った敵軍は自らの総本部であるインテンスを砲撃しました。

崩壊する大聖堂の中に残された二人は、瓦礫の中へ消えていきました。

 

ヴァイオレットはギルベルトが無事だと信じていました。

しかし、真実は違ったのです。

瓦礫の中からギルベルトが見つかることはなく、未帰還兵として処理され、墓が建てられていました。

ホッジンズは、瓦礫のインテンスに立ち尽くすヴァイオレットを連れて、C.H郵便社へと帰ります。

覚悟を決めて真実を告げたホッジンズは、ヴァイオレットが自らの力で、過去を乗り越えるしかないと考えていました。

 

このまま自動手記人形でいてもいいのか、生きていていいのか...

それから、しばらくヴァイオレットは部屋に籠り続けました。

 

そこへ配達員のローランドが手紙を届けにやって来ます。

差出人はアイリスとエリカでした。ヴァイオレットが初めてもらった手紙でした。

夜遅くまで配達を行っていることに疑問を感じたヴァイオレットが尋ねると、ローランドは新人の配達員が配達しきれず手紙を捨ててしまったのだと言います。ヴァイオレットはローランドの仕事を手伝い、市内の家々に手紙を届けます。

配達をしながら、どの手紙にも誰かの大切な思いが詰まっていると感じます。

そして、届かなくてよい手紙などないのだと、知ります。

 

ヴァイオレットが部屋に籠っている間、代筆の指名がヴァイオレットに入っていました。

それは、ヴァイオレットが最初に手紙を代筆して渡した、ルクリアの兄からの依頼でした。

ヴァイオレットは今は仕事ができないと他のドールは説明しますが、スペンサーはどうしてもヴァイオレットに書いて欲しいと言ったのでした。

 

ヴァイオレットは配達の手伝いをした後日、スペンサーの代筆に向かいます。スペンサーは、ルクリアからの手紙をもらって以来、生活を改め、仕事も決まったのだと話します。そしてルクリアに感謝の手紙を出したいと依頼しました。

 

スペンサーの依頼を終えた後、街を歩きながらヴァイオレットは会社に戻ります。

道中、新聞記事を見かけ、そこに公開恋文で結ばれたシャルロッテとダミアンの記事を見つけます。壁に目をやると、戯曲家オスカーの新作である、オリーブの物語の広告が出ています。花屋では、アイリスの花が咲いています。

 

ヴァイオレットは急いで会社に戻り、ホッジンズに会います。

社長の仰る通り

私はたくさんの火傷をしていました...

良いのでしょうか...

私は...自動手記人形でいて...

良いのでしょうか...

生きて...生きていて...

良いのでしょうか...

 

引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 9話 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン

こう訴えると、ホッジンズは言います。

してきたことは消せない。

でも...でも!

君が自動手記人形としてやってきたことも消えないんだよ。

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン!

 

引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 9話 クラウディア・ホッジンズ

ヴァイオレットが多くの人の命を奪ったという事実は決して消えません。

しかし、その手が手紙を書き、多くの命を救ってきたという事実も決して消えることはないのです。

 

ギルベルトがつけた「ヴァイオレット」という名前。

その名にふさわしい人になるように、ヴァイオレットは再び歩き始めたのでした。

 

 

 

この回はもう語りつくせないくらい素晴らしい部分が多く、うさぎの心もキャパオーバーですよ!!涙腺がぁ...!

戦争中は、ヴァイオレットは感情がほぼなく、愛も分かりませんでした。少佐の告白も届かず、それでも少佐を失いたくない、という気持ちだけは大きく、何としてでも助けようとしていました。そこがすごくつらかったです。両腕を失ってもなお、自分の生き死にはすでに眼中になくただ少佐の無事だけを考える、それがギルベルトにとってはどれほどつらくもあったのだろうかと思います。ギルベルトは、恐らくここが最期だろうと感じて気持ちを伝えたのですね。瓦礫の直撃を受けるシーンではヴァイオレットを庇ったように見て取れます。ヴァイオレットはそれで助かったわけでもありますから、ギルベルトは本当に愛していたのだと思います。ヴァイオレットも気持ちや言葉の意味は分からなくても、ギルベルトのことを愛していたのだと感じます。ひどい戦争でした。

悩み苦しんだヴァイオレットは、自分で自分の首を絞めて死のうとします。その時の演技が素晴らしかったです。圧巻でした。それだけ思い詰めていたのだと分かります。今まで感情がなく、人の痛みや苦しみも分からなかったヴァイオレットですが、それらを少しずつ得たことによって、自分のしてきたことの重大さと責任に気づき、押しつぶされそうになっていました。ヴァイオレットが成長してきたことの証であり、これからどのような選択をするかの重要なポイントでもあったと思います。

アイリスとエリカの手紙、そして配達作業で自分の仕事の重要性に気づきます。

うさぎは、ルクリアの兄のスペンサーが、ヴァイオレットに書いてほしい、と言った部分がとても感動しました。人を殺す以外で必要とされなかったヴァイオレットが、初めて意志を持って選んだことで誰かに認められ、必要とされました。ヴァイオレットが選択して行動してきたことが間違っていなかったのだと思わされるシーンでした。

スペンサーの依頼を終えた後、ヴァイオレットのしてきた仕事の結果が全て映るシーンは、本当に感動しました。素晴らしい演出でした。そして、そこで流れていた結城アイラさんのBelieve in ...という曲にも感動して、涙が滲みました。

これまでしてきたこと以上に、ドールとして働くことが何よりも重要だと、分かったシーンでした。

 

さて、次回は伝説の回ですね。頑張ります!

 

 

ここで終わります。

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/09

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑧ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

今回も前回に引き続き書いて参りますが、前回からかなり涙腺が大変なことになってきておりますね!

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

第⑧回、気合を入れて頑張ります!

 

 

 

記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第8話

 

自分が誰かの『いつかきっと』を奪っていたことに気づいたヴァイオレットは、いつの間にかその身が、自分がしてきたことで燃え上がっていたことに気づきます。

 

ーー4年前。

 

北東戦域で拾われた「武器」と呼ばれた孤児の少女は、ギルベルトと出会いました。

言葉も話せない少女は、うつろな瞳でギルベルトを見つめます。

ギルベルトは少女を引き取り、上官の命で彼女を自分の部隊に入れることになりました。

 

ギルベルトは少女を、その名が似合う女性になるようにと願いを込めて、「ヴァイオレット」と名付けました。

ヴァイオレットはギルベルトのもとで、言葉を覚え、文字も書けるようになりました。

 

一方で、その呪われた才能とも言うべき並外れた戦闘能力で、次々と敵兵を倒していきます。

一人、また一人と、ヴァイオレットが敵兵の返り血を浴びるほど、ギルベルトの部隊は功績を讃えられ、ヴァイオレットの噂は「少佐の武器」として瞬く間に広まりました。

そして、ギルベルトの心は締め付けられていきました...。

 

それから月日は流れ、ヴァイオレットの活躍により、部隊は順調に作戦を成功させていきました。

 

部隊は、敵国から解放されたばかりのメヒティッヒの町を訪れます。

そこでは、人々が日ごろの感謝の気持ちを伝え合う祭りが行われていました。

ギルベルトはヴァイオレットに感謝の贈り物をしようと、欲しい物を尋ねました。

二人は通りを歩きます。

 

夜店で売られていたエメラルドのブローチの前でヴァイオレットは釘付けになりました。

「少佐の瞳があります」

何と言い表せばよいのか分からないほどの衝撃が、ヴァイオレットの体を駆け抜けます。

それが「美しい」だと知ったヴァイオレットは、「言葉が分からなかったので言ったことはありませんが、少佐の瞳は出会った時から『美しい』です」と伝えました。

その言葉を聞いたギルベルトは、例えようもない苦しみに胸をつまらせました。

 

南北大戦の決戦の地となる、聖地インテンス。

この地を制圧すれば、戦争は終わりへと向かいます。

ギルベルト部隊は内部への侵入に成功し、屋上から全軍突撃の合図を送りました。

 

しかし、ギルベルトに敵の銃口が向けられていることに、誰も気づいていませんでした。

 

 

 

この回は、今まで断片的にしか見ることができなかった、ヴァイオレットの過去についてのお話でしたね。

ヴァイオレットは孤児で、戦域にいたところを、ギルベルトの兄、ディートフリートに拾われてきたのでした。そして、戦争の道具として使うように言われ、肯定はしなかったものの、引き取ります。ギルベルトは誠実で真面目で優しい方だと思うので、子供を兵士にすることには反対だったと思いますし、孤児に対しての同情の気持ちが大きかったと思います。しかし、その圧倒的な戦闘力が故に、上層部からの命令には逆らえず、部隊に入れることになりましたね。ヴァイオレットは初め、言葉も話せず、まるで人とは言い難いような状態でした。そもそも他人を信用するという気持ちが無かったと思うので、あくまで自己防衛のために他人を攻撃したり、地面で丸くなって寝たり、他人が近づいてくると物理的にも距離を取ったりと、育った環境の過酷さを感じさせられました。ですが、ギルベルトにだけは心を許していた部分があったようです。

ヴァイオレットはギルベルトの下で様々なことを学び、成長していきますが、殺伐とした世界で生きているので感情の芽生えになりませんでした。わずかに心を動かされる感触がする、といった感じでしょうが、それがとてもギルベルトにはつらかったのでしょうね...。普通の子として育ててあげることができない自分に、とても憤っているような気がしました。ヴァイオレットはそれには気付くはずもなく、それでも変化はしていくので、その些細な変化の度にギルベルトの心は締め付けられたと思います。

今のヴァイオレットにもう一度出会ってほしいです。

あのような別れ方は悲しいですね。

 

 

今回はここまでにします。

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/08

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑦ (ネタバレ有り)

こんにちは~!うさぎです。

今回も気合を入れて書いて行きます!

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

最近長い記事が多くて読むのがつらかったらすみません...!書きたいことを忘れないように書いてるだけですので斜め読みしてくださいね!

 

 

 

記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第7話 「       」

 

『いつか、きっと見せてあげるね、お父さん』

そう言ってくれた娘は、もうここにはいない。

 

湖畔にぽつりと立つ屋敷に、人気戯曲家のオスカー・ウェブスターは暮らしていました。

オスカーは戯曲の執筆を手伝ってくれる自動手記人形を呼びます。

現れたのは、オスカーが名前すら悲しくて囁けない、「あの子」と同じ髪色の少女、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンでした。

 

ヴァイオレットがやって来ても、オスカーは何かを紛らわすように酒を飲み続け、仕事に向かおうとしません。

ヴァイオレットは、困ったお人ですね、と身の回りの世話をします。

しかし、仕事に向かわないのには理由がありました。

 

オスカーには、自分の命よりも大切な娘がいました。

お気に入りの日傘を差して湖畔を歩く「あの子」の名前は、リビアといいました。

『わたしもこの湖を渡ってみたい。あの落ち葉の上なら、歩けるかなぁ』

そう言って、オスカーに微笑むのです。

ですが、幼い彼女は病気に倒れ、天国へと旅立ちました。

ただ一人、父であるオスカーを残して。

 

大切な人との別れがどれほどつらいことか、ヴァイオレットは、オスカーの深い悲しみに共感します。

 

オスカーは、オリビアに生前聞かせてあげていた物語を、子供向けの戯曲として完成させようとしていました。

物語の終盤、主人公は日傘を使って湖を渡り、父親の待つ家に帰らなくてはなりません。

その情景が思い浮かばず、行き詰まってしまいます。

 

オスカーは、ヴァイオレットに娘の日傘を持って湖畔を歩くように言います。

歩くだけでよいのか、と返すヴァイオレットに対し、できれば、湖の上を落ち葉をつたって歩いて欲しい、と言います。

ヴァイオレットは、かしこまりました、と承るのです。

 

次の瞬間、オスカーの瞳に、オリビアの日傘を持って湖に向かって跳躍するヴァイオレットが映ります。

ブーツが水面の落ち葉に触れて、風の力でふわりと一瞬浮き上がります。

 

オスカーはその姿に、亡くなったオリビアを重ねます。

「死なないで、ほしかったなぁ...」

オスカーには、オリビアが微笑みかけたように見えました。

 

「君は死んだ娘の『いつかきっと』を叶えてくれた。ありがとう。ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」

と、優しさに満ちた瞳でオスカーは告げます。

 

依頼が完了し、帰路につくヴァイオレットの瞳の奥には、悲しみが宿っていました。

 

ライデンの港についたヴァイオレットは、エヴァ―ガーデン家の奥様と再会します。

最初の非礼をお詫びするヴァイオレットに、奥様は立派になった、"亡くなった"ギルベルトも報われる、と話すのでした。

 

ヴァイオレットは、少佐が"亡くなっている"ことを初めて知り、混乱し、取り乱します。

 

会社に戻って社長に無事を問いただしますが、未帰還だと知らされ、認識票ががれきの下から見つかった、と教えてもらうのでした。

 

 

 

7話、結構しんどかったです!涙腺がぁぁぁ...!

まずはお決まりの映像美についてですが、今回も自然の風景が多めということで、特に光と水の描き方が上手だなあって思いました。湖はキーとなる場所ですが、光を反射してキラキラと輝き、水面に浮かぶ落ち葉も美しく、さらに透明感のある水が描かれていて素敵でした。ヴァイオレットが跳ぶシーン、そしてそれを見たオスカーに当たる光、ここが一番素晴らしかったと思います!

オスカーは、奥さんを病気で亡くし、それから娘のオリビアとここに引っ越してきましたね。そして娘にも先立たれてしまう...可哀想で、仕事なんかできないよな、って思いました。しかも、娘に話してあげた物語をもう一度考えるなんて、常にオリビアのことを思い出して悲しくなるじゃないですか...。ですが、ヴァイオレットと話し、物語をどうしたいのか、どのような結末にしたいのか、自分のそうであってほしかったという願望も含めて認めることができ、オリーブの物語が完成しましたね。感動でした。湖の上で跳んでほしいというお願いは、つい口から出てしまっただけのもので、当然できっこないものですが、ヴァイオレットはできないと言わず、少しでもやってみせてくれました。この代筆は、ヴァイオレットにしか、務まらなかった仕事だと思います。最後の、生きてほしかった、という願いの部分は...もう... 大切な、"愛する人"ですからね。ですが、ヴァイオレットの行動がオスカーの救いに少しでもなっていたと思うので、良かったと感じました。

ヴァイオレットは今回、初めてギルベルトが亡くなったということを知りました。衝撃だったと思いますし、今まで嘘を教えられていたのだと、裏切られた気持ちにもなったと思います。そういったことが感じられたのは、また一歩成長し、感情を獲得し、自分の気持ちが分かってきたことだと思います。しかしながら、筆者も衝撃でした。認識票とは、戦争で遺体がひどいことになり、身元の判別ができない場合に身元を証明するための、プレートやタグや名札などの形でいつも身に着けておくものですよね。それががれきの下から見つかったとしたら...あまり良い期待はできませんね。そもそも、ヴァイオレットも両腕を失くしているわけですから、きっとかなり悲惨な状況だったと思います。次回、ヴァイオレットがどのように向き合っていくかに注目したいです。

 

 

今回はここまでにします。

読んでくださりありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/07

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑥ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

第⑥回頑張ります!

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

 

 

 

記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第6話 「どこかの星空の下で」

 

200年に一度の彗星にまみえるように、人と人との出会いも思いがけず訪れ、瞬く間に過ぎていきます。

たった一度の出会いが、人生を変えてしまうこともあります。

 

ユースティティアの山間部に建つ、シャヘル天文台

写本課で働く少年、リオン・ステファノティスは人生のほとんどの時間をここで過ごしていました。

そしてまだ、恋は知りませんでした。

 

天文台の大図書館には、悠久の時を経た書物が数多く眠っています。

日々劣化する古書を記録し後世に残す写本課は、仕事の補佐として大陸中から自動手記人形を集めました。

 

タイプライターを片手に国を渡り歩く自動手記人形たちを、リオンは母と重ねて倦厭していました。

家を出たまま戻らない文献収集家の父を探すために、母は幼い自分を置いて旅立ったのでした。

リオンは、母が自分よりも愛する男を選んだのだと思い、女にも恋にもコンプレックスを抱くようになってしまったのです。

 

ですが、リオンは出会ってしまいます。

今まで出会ったこともないような美しい少女、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンに。

その瞬間、リオンの鼓動は今までにない音を鳴らし始めます。

 

リオンは幼い頃に親と別れ、この天文台へと預けられました。

ヴァイオレットもまた孤児で、親の顔も知らずに育ったと言います。

リオンは、自分と似ているヴァイオレットのことをますます知りたいと思うようになります。

 

200年に一度訪れる、アリー彗星の夜。

リオンはヴァイオレットを天体観測に誘い、自分のことを話し始めます。

母親に置いていかれてからずっと天文台に籠もり続けていること。残された者の寂しさ。それでも、母親を大切に思っている気持ちを。

 

それは、ヴァイオレットが自分でも気づいていなかった、ギルベルトへの感情と重なります。

「私は、あの方と離れて『寂しい』と感じていた」

ギルベルトを思うヴァイオレットの横顔を見たリオンは、ヴァイオレットにとって彼が特別な存在なのだと知ります。

 

彗星の夜が明け、ヴァイオレットが天文台を発つ日になりました。

リオンは長年籠もり続けていた天文台を出て、尊敬していた父と同じ、文献収集家として歩みだそうと決意します。

ヴァイオレットのように自分の足で大陸中を旅して、まだ知らない多くのことを学ぼうと。

ヴァイオレットが生きている世界と、同じ空の下で、またいつか、ヴァイオレットにも旅先で出会えると信じて。

 

 

 

今回も素敵なお話でしたが、作画がとても美しい回でもありました!

天文台で見たアリー彗星の描写はとても感動しました。光っている感じが綺麗に表現されていて、すごかったです。

今回出てきたリオンは、まだ恋を知らない少年でした。その点では、ヴァイオレットと似通った部分がとても多い子だったのかなと思います。この回は、ヴァイオレットと登場人物の二人が成長したことを、とても実感できる回だと思いました。

最初リオンは、大陸中を渡って手紙の代筆をするドールという仕事を、お金持ちの男と出会うための仕事だろ、みたいな偏見を持っていました。しかしヴァイオレットの仕事をする姿や能力を見て、素敵な仕事だと考えを改めます。ですがヴァイオレットは、前回ギルベルトの兄に言われた言葉を引きずっており、そんな仕事を自分がしていていいのかと悩みます。この悩みは、まだ解決はしませんでしたね。

ヴァイオレットですが、序盤、養成学校で一緒に学んだ学友たちも呼ばれていたことで、他のドールと関わるシーンがありました。公開恋文の仕事を成功させたことで有名になっていましたね。ルクリア以外は、あのヴァイオレットが、と思ったことだと思います。しかし、ドールの皆さん可愛いですね(笑) それはさておき、ヴァイオレットが成長していることを、毎回分かるような表現や描写があります。今回は、まず上に書いた他のドールにも名前が知られるようなドールになっているシーンです。

次が、

私は...無表情だとよく言われます

こういう顔です...

少し...似ていますね

 

引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 6話 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン

と、リオンを励ますシーンです。図書館で資料探しをしていたヴァイオレットですが、他の職員に絡まれ、いわゆるナンパを受けます。リオンは孤児だから、君には合わない、などと"旦那様"のことを悪く言われますが、ヴァイオレットは意にも介さず、自分も孤児だ、などと話して諦めさせます。リオンが自分なんか、と気にすると、ヴァイオレットが上記の台詞を話します。人の気持ちを理解するだけでなく、気の利いたことも言えるようになっています。

最後が、

私にとってあの方の存在は

まるで世界そのもので

それがなくなるくらいなら

私が死んだ方が良いのです

 

引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 6話 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン

と言った天文台のシーンです。リオンの身の上話を聞き、自分が寂しいと思っていることを知ります。そして、ほのかな恋心を持っていたリオンは、ヴァイオレットに試すようなことを言います。自分との契約期間中にその人に危険が及んだらどうするかと。ヴァイオレットは、その質問には選択肢がない、と言います。もとより心は決まっているとでも言うかのようでした。成長が直接見られるようなシーンではないかもしれませんが、"愛してる"が分からなかったヴァイオレットが、自分が少佐に対してどう思うのかが少しでも見えたシーンだと思います。自分にとって世界そのものなら、それが無ければ生きていけない、ということですものね。

少佐、生きてらっしゃるといいのに...涙

 

 

では、今回はここまでで終了にします。

次の回は結構涙腺が大変です。頑張ります。

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/06

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑤ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

前回に続いて、第⑤回を書いて行きます!

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

気合を入れて行きましょ~!!

 

 

 

記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第5話 「人を結ぶ手紙を書くのか?」

 

時は流れ、季節は移り、空が高くなる頃となりました。

ヴァイオレットは数々の手紙を代筆し、貴族の間で話題の自動手記人形になっていました。

 

今回ヴァイオレットが代筆をするのは、隣国へ嫁ぐ王女の恋文でした。

ドロッセル王国の王女とフリューゲルの王子が恋文を交わし合い、それを国民に公開することで、国を挙げて二人の結婚を祝います。

これは王国の伝統的な儀式であり、戦時中に敵対関係であった両国の和平を結ぶ、「婚姻外交」でもありました。

 

ドロッセル王国の王女シャルロッテは、まだ14歳のあどけない少女でした。

異国へ嫁ぐことも、女官のアルベルタと離れることも不安でたまりません。

王女の恋文を代筆する自動手記人形、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンもまた、彼女と同じ年頃でした。

ヴァイオレットは、古今東西の書物や文献から得た恋愛の知識で見事な恋文をしたためます。

しかし、シャルロッテの表情は晴れませんでした。

 

数年前、自分の誕生日パーティーを抜け出し、白椿の花壇に逃げ込んだ時のことです。

一人で泣いていたシャルロッテに、フリューゲル王国の王子ダミアンが声をかけます。

会う男性全てがお見合いの相手で息苦しかったシャルロッテに、飾らない笑顔やありのままの言葉で、ダミアンはなぐさめてくれました。

その時、シャルロッテは王子に恋をしたのです。

それなのに、王子から届く自動手記人形が代筆した恋文は、シャルロッテを不安にさせます。

美麗に飾られた恋文には、王子の心が見えないのです。

 

王子と王女の恋文に国民がどれほど沸き立っても、国内が平和の空気に包まれても、シャルロッテの涙は止まりません。

 

同じ年頃の少女の恋心に触れたヴァイオレットは、「あなたの涙を止めて差し上げたい」とある行動に出ます。

それは、相手方のドールと話をつけて、シャルロッテとダミアンに自らの手で恋文を書かせることでした。

ありのままの言葉、ありのままの筆致で綴られた恋文は、二人の心を近づけます。

 

そして、ダミアン王子から届いた最後の手紙には「今宵、月下の庭園で待つ」とありました。

その夜、二人は初めて出会った白椿の花壇で永遠の愛を誓いました。

 

結婚式の朝になります。

姫は、生まれる前から時間をともにした女官、アルベルタに心からの感謝と別れを告げます。

シャルロッテの瞳に涙はありませんでした。

 

同じころ、ヴァイオレットの瞳にも清々しい秋の空が映っていました。

 

 

 

今回も素敵な話でした。

「公開恋文」、一般人だったら、黒歴史を暴露されるようなものではないですか!?と思ってしまいましたが、そういう歴史の中で生きていらっしゃる、うさぎとはかけ離れた方々の中では普通なんでしょうね。

王室で生きるとは、どのような感覚なのでしょうか。華やかで、欲しいものは何でも手に入るような素晴らしい生活なのでしょうか...。少なくとも、良いことばかりではないのでしょうね。シャルロッテこそ自分の好きな人と一緒になれましたが、シャルロッテはたくさん勉強して議会にそれとなく根回しをして、フリューゲルを選ぶように差し向けてもいますから、やはり自分の意志だけでできないこともたくさんあるのでしょう。結婚こそ、自分の意志でしたいものですがね。

ですがこのように、敵対関係にあった国どうしの王室が結びつくことで和平に近づく、というのはとても勉強になりました。こういった外交もあるのだと。

恋文を交わしていくシーンは、なぜだか感動しました。まず初めの、ヴァイオレットがとっても素敵な恋文をかけるようになっていたことが、とても驚きでした。時間は経っているようですが、報告書のような文章から、本当に美しい文章を書くまでに成長して、感動でした。相手方のドールはカトレアでしたね。相変わらずカトレアも素敵な文章を書きますね。でも、お互いが自分で書き始めた手紙は素晴らしかったです。あれが、本当の恋文なのかな、なんて思いました。相手を引き立てて自分のことはへりくだって書いていて、きっと婚姻外交なんて言うくらいですから、ものすごい自分のことをアピールしてくる人とかも寄ってきたと思うのですが、それでも二人は良い相手を選んだのだなって思っていたら感動でした。

そして最後のシーンのアルベルタとシャルロッテの所は良かったですね!シャルロッテは可愛くて綺麗でした。アルベルタの子を想う親みたいな気持ちになると、複雑な感情なのかなって思いました。でも、素敵な婚姻ができて、それの立役者がヴァイオレットだと思うと、すごいなって思います。

道具ではなく、ドールとして素晴らしいのだなって。

 

しかし港に就くと、ギルベルト少佐の兄、ディートフリート大佐に再開します。ヴァイオレットのことを憎んでいますから、ヴァイオレットの今していることも、否定しますね。

これからきっとヴァイオレットはより苦悩していくのだと思います。

不穏です。

 

 

今回はここまでにします。

読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/05

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話④ (ネタバレ有り)

こんにちは。うさぎです。

前回に引き続き書いて行きたいと思います。

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

htmt167.hatenablog.jp

 

この記事が初めてだという方はぜひ、最初からご覧になって頂けたらと思います!

 

 

 

記事では本編の内容について扱っており、ネタバレも含みます。

以下、ご注意ください。

 

 

 

第4話 「君は道具ではなく、その名が似合う人になるんだ」

 

長かった髪をばっさりと切り捨て、ハイヒールを履いて、お気に入りの衣装をまとえば、気分はライデン一番の自動手記人形。

新人ドールのアイリス・カナリーは働く女性に憧れていました。

 

ある日、アイリスに見知らぬ人物から初めての指名が入ります。

張り切っていたアイリスですが、ハイヒールのため階段で転び、腕を怪我してしまいました。

タイプライターが扱えなくなってしまったため、ヴァイオレットと共に依頼人の所へ向かいます。

そこは、アイリスの生まれ育った地元でした。

 

都会を離れたのどかな土地、カザリで待っていたのはアイリスの両親でした。

心配性の両親は、都会で働く一人娘に会いたくて、偽名で依頼を出したのでした。

 

褒められるヴァイオレットとは対照的に、アイリスは家族から何も言ってもらえません。

お気に入りの衣装も気付いてもらえず、ライデンで一番のドールという話も嘘だと見抜かれていました。

 

両親は、アイリスのために誕生日パーティを開き、花嫁候補を集めます。

そのための招待状の作成と配達が依頼内容でした。

その中には、かつてアイリスが想いを寄せていた彼の姿もありました。

招待状を出さないで、とヴァイオレットに頼んでいたアイリスはショックを受けて途中でパーティを飛び出してしまいます。

 

慣れないハイヒールを履いて背伸びをした理由、生まれ育った故郷を離れた理由は、実らなかった恋を忘れるためでした。

アイリスが告げた「愛してる」は、長年恋い焦がれた彼の心には届かなかったのです。

 

愛してるは

とても勇気のいる言葉なのですね...

受け入れられないと

そこにいたくなくなるくらいに...

 

引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン

愛してる」という言葉の重さをヴァイオレットは知りました。

愛してる」はとても勇気のいる言葉、少佐も...と考えるのでした。

 

心の整理がついたアイリスは、ヴァイオレットに代筆を依頼します。

自分が台無しにしてしまったパーティの招待客へお詫びの手紙を出したい、と。

それならば、ご両親にも手紙を書いてはどうか、とヴァイオレットは提案します。

手紙だと届けられるのです

素直に言えない心のうちも、届けられるのです

 

引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン

不器用な娘から両親への手紙には、面と向かっては言えないけれど、本当に伝えたい気持ちがつづられていました。

 

人の気持ちは繊細で複雑で、時には相手を想うから吐く嘘もある。

手紙だからこそ届けられる気持ちもある。

ヴァイオレットは少しずつ人の気持ちを理解し始めていました。

 

 

 

今回は、アイリスに焦点が当てられた物語でしたね!

この時代は、やはり女性は職に就くより家庭に入ることが美徳とされているのでしょうか。アイリスの地元は地方だそうですので、少しその傾向が強いのかもしれないと思いました。一人娘だとなおさら心配だ、という気持ちは分からなくありませんが、アイリスが少し可哀想に感じてしまった部分もありました。

そして、好きだ、愛してるといった言葉は、気持ちを伝える言葉の中でもとりわけ、勇気がいる言葉ですよね。それをヴァイオレットが知ることができたのが、今回の一番の進歩だと思います。

ヴァイオレットは苦悩していました。人の気持ちは少しは理解できるようになったが、それでもまだ本当の気持ちをくみ取ることができなかった、と。ですが、それはきっと、ヴァイオレットの中にも少しずつ感情が芽生えている証拠でもあるのかなと思います。人の気持ちを理解するのって結構難しいと思うのです。だから勘違いとかすれ違いとか、そういったことが起きて争いにもつながると考えています。アイリスの張った見栄も、自分がそうなりたいからという理想を掲げているだけでなく、家族に心配させないためでもあるのかな、なんて思ったりもします。まあ、家族はそれが嘘だと見抜いていたようですが...。そこはやはり、親子ですね。一人っ子でどのように育ってきたか多少は想像ができます。そこから自立するために一生懸命に頑張るアイリスも、いつか肩の力を抜く日が来ると良いのかななんて思います。

 

最後の帰りの列車の部分で、アイリスが、自分の名前はお花が由来だと話します。

窓の外には、アイリスの花が、真っ青に、一面に咲き乱れていました。

とっても美しかったですね。そして凛々しい感じが、アイリスのようでした。

そこでヴァイオレットも、自分が名前をもらった時のことを思い出します。少佐は花を見て、ヴァイオレット、と名付けました。

「君は道具ではなく、その名が似合う人になるんだ」と仰って。

少佐のヴァイオレットに対する気持ちというか、願いのようなものを感じます...。

ヴァイオレットはきっと、美しい女性になりますね!!

 

 

今回はここまでにしたいと思います!

読んでくださりありがとうございました。

 

 

はな

 

 

 

2021/09/04