ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑬ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
とうとう第⑬回、最終回になりました!
長かったですか?長すぎましたかね??(笑)
ですが一つひとつの記事が長いので、まとめるとそれこそ膨大になってしまうんですよね...。
前置きはこんな感じで、記事を書いて行きます!
これまで通り気合を入れて、頑張ります!
記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第13話 自動手記人形と「愛してる」
走り続ける機関車の上で戦闘を続ける和平反対派とヴァイオレットたち。
ヴァイオレットは銃弾からディートフリートを守りました。
メルクロフ准将は不適な笑みを浮かべ、機関車から飛び降ります。
その真意に気づいたディートフリートは、機関車の緊急停止を試みます。
橋の下に仕掛けられた爆弾の撤去にヴァイオレットは向かい、両腕の義手を失いながらも撤去します。
和平反対派の思惑は彼らの手によって阻まれました。
そして、ライデンシャフトリヒとガルダリク帝国の和平調印式が行われ、戦争は終わりました。
ヴァイオレットたちはライデンへ帰り、いつもの仕事に戻ります。
飛行機で空から手紙を届ける航空祭を前にして、C.H郵便社には代筆の依頼人がひっきりなしに訪れていました。
ドールたちは代筆に追われます。
カトレアとホッジンズは、ヴァイオレットにも自分の手紙を書くように勧めます。
「今のあなたが思う通りに書けばいいのよ、心のままにね」
初めて書く自分の手紙...
そこへ、ディートフリートがヴァイオレットを訪ねてきました。
連れて行かれたのは、ライデンのブーゲンビリア邸でした。
ヴァイオレットは、そこで初めてギルベルトの母親であるブーゲンビリア夫人と対面します。
息子を心から愛している夫人は、ヴァイオレットに語りかけます。
「あの子は、生きてる。心の中で。だから決して忘れない。思い出す度につらくても、ずっと想って生きていくわ。だって、今も愛しているんだもの」
夫人の言葉に、ヴァイオレットは強くうなずきました。
航空祭当日。
たくさんの想いがつまった手紙は、空から風に乗って大陸中へ旅立ちました。
ヴァイオレットも手紙を書いて空から飛ばします。
「親愛なるギルベルト少佐ーー」
その手紙が届くと信じてーー。
C.H郵便社に依頼をすれば、大陸のどこへでも彼女はやって来ます。
水色の日傘を差して、エメラルドのブローチをつけた、義手の自動手記人形が。
「お客様がお望みなら、どこへでも駆けつけます。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンです」
第13話、素敵でした。
誰かを殺す力を、誰かを守るために使い、機関車に乗っていた大使や郵便社の仲間、そしてギルベルトの兄ディートフリートを守りました。
ディートフリートに、ギルベルトの分まで生きて死ね、と最後の命令を出された時、もう、命令は必要ありません、と答えました。
航空祭の手紙の代筆では、悲しむ依頼人に対し、分かります、と寄り添いました。
ヴァイオレットは"普通"の生活をすることで、今までになかった経験をして、たくさん学び、成長しました。自分の気持ち、想いを表すことができるようにもなりました。
ヴァイオレットは、その名が似合う、素敵な人になったと思います。
感動しました。
特にギルベルトのお母様と会った時、思い出す度につらくても、愛しているからずっと想い続ける、というお母様のお話に対し、強くうなずいていました。ヴァイオレットも、自分の心の中に芽生えたギルベルトへの想いが、"愛"であるともう分かったと思います。
人を殺したその手で、人を結ぶ手紙を書き、成長し、愛を知り、愛を繋げていく。
してきたことは消えません。それは、これからしていくことも消えないということです。
ヴァイオレットはこれからも、呼ばれたらどこへでも行き、想いを綴る手紙を書くのだと思います。いつも、ギルベルトに見守られながら。
手紙って、素敵ですね。
いつか映画を見たいです。
本当に綺麗で、切なく、悲しくもあり、心温まるお話でした。
これで終わります。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
はな
2021/09/13
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑫ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
もう第⑫回まで来ましたね。
今回を入れて残り2話です!
気合を入れて書いて行きます~!
記事では本編の内容について扱っており、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第12話
大陸の南北をつなぐ大陸縦断鉄道。
平和の象徴として完成したこの鉄道を使って、ライデンシャフトリヒとガルダリク帝国が和平書簡を交わします。
C.H郵便社から、条約文書を代筆するカトレアとその護衛のベネディクトが同行することになりました。
和平反対派は鉄道の破壊を目論み、それを阻止するために軍ではディートフリートの部隊が招集されました。
一方ヴァイオレットは、エイダンの故郷に手紙を届けた帰り道で飛行機から不審な煙を目撃します。
それは和平反対派による破壊活動の痕跡でした。
不穏な空気を感じ、機関車の停車場所に降り立ったヴァイオレットは、カトレアたちと遭遇します。
この時、すでに車両には敵兵が潜入していました。
会社に戻るように言われたヴァイオレットは、戻らず作戦に参加すると言って聞きません。
そのため、ヴァイオレットも依頼に同行することになりました。
ギルベルトの兄、ディートフリート・ブーゲンビリアは、ヴァイオレットを激しく嫌悪します。
「貴様は道具だ。俺が敵を皆殺しにしろと命じたら、平然と殺すんだろぅ?」
しかし、ヴァイオレットは不殺を訴え、ディートフリートが差し出した武器を拒否します。
自分の知らないヴァイオレットの姿、ディートフリートは、その変化を認めたくありませんでした。
書簡を交換する外交大使を護るため、車内で戦闘になってしまいます。
ヴァイオレットは素手で敵に応戦します。
反対派を率いるメルクロフ准将は、ヴァイオレットが「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」だと気づき、憎しみを露わにします。
次々とヴァイオレットに敵兵は襲い掛かります。
エメラルドのブローチを奪われ、敵に捕らわれてしまいました。
ヴァイオレットは、メルクロフ准将の手中にあるブローチを見つめ、ギルベルトの瞳を思い出します。
メルクロフ准将がヴァイオレットに向かってサーベルを振り上げた瞬間、銃を構えた男がサーベルを撃ち落とします。
それは、ディートフリートでした。
ディートフリートは、ギルベルトを守れなかったヴァイオレットのことを憎んでいました。
「お前がギルを殺したんだ。だからお前も死んでしまえ!!」
ディートフリートの言葉が胸に突き刺さったヴァイオレットは、それでも言い返します。
「少佐は、それでも生きろとおっしゃったのです」
その時、ライフル銃の弾丸が放たれ、ヴァイオレットはディートフリートの前に飛び出しました。
12話、これからまた戦争が始まるか、始まらないかの瀬戸際で奮闘しますね。
ディートフリートは、ヴァイオレットがあの頃と変わったとは認めたくないと、ひどく責めますし、傷つけるようなことを言います。弟の死を乗り越えることがまだできていないのは、ヴァイオレットと同じですね。ギルベルト・ブーゲンビリアという存在が、どれほど周りに重要だったか、どのような存在であったか、というのが毎回伝わってきます。
さて、ヴァイオレットは一度、ディートフリートに対して「命令を」と言ってしまいます。そのことから、まだ命令がなければだめなのかと言われてしまいます。これは想像ですが、軍人である以上は上の命令が必要になりますし、ヴァイオレットは"元"軍人だったので、癖で言ってしまったのだと思います。ですが、無意識の内に言ってしまったとも考えられるので、まだヴァイオレットの根底にはぬぐい切れない何かが残っているのだと思います。その後、命令は必要ない、もう人を殺さない、と自分の意志を主張しました。そこはやはり成長だと思います。
そしてカトレアの、戦争なしでは生きて行けない人もいる、という言葉が心に残っています(今回ではなかったらすみません...)。それはその人の誇りや正義が関係してくるのでしょう。次回、最終回の展開に注目ですね。
いつかディートフリートとも和解できる日が来ればよいのでしょうが...厳しそうですね。
今回はここで終了します。
読んでくださりありがとうございました。
はな
2021/09/12
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑪ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
前回、情緒不安定かつ超長文でお送りしましたが、今回は落ち着いて、まあまあな文章量でお届けできたらと思います。
気合を入れて行きましょ!!
記事では本編の内容について扱い、ネタバレを含みます。
以下、ご注意ください。
第11話 「もう、誰も死なせたくない」
C.H郵便社に戦場の兵士から代筆依頼が届きます。
大切なドールを危険な目に遭わせたくないと、ホッジンズは依頼を断るつもりでいましたが、ヴァイオレットは偶然、その依頼を立ち聞きしてしまうのでした。
ーーー戦場にも誰かに想いを伝えたい人がいる。
ヴァイオレットはホッジンズに黙って戦場へ赴きました。
クトリガル国、メナス基地。
そこは、内戦が勃発したばかりの危険地域で、たどり着くことさえも困難な場所でした。
ヴァイオレットは現地のヴァンダル郵便局の協力を得て、飛行機で基地へ向かいます。
依頼主のエイダン・フィールドは、所属する部隊の出撃命令を受けて雪山の中を歩いていました。
戦争はもう終わったはずなのに、恋人のマリアと両親が待つ故郷には、まだ帰ることができません。
突然、銃声が鳴り響きます。
物陰から兵士たちを狙っていたのは、ガルダリク帝国の残党でした。
まるで狩りを楽しむかのように、兵士たちを次々に撃っていきます。
「嫌だっ......!! 死にたくないっ!! 俺はっ......帰るんだ!!」
逃げ惑うエイダンでしたが、彼から散った鮮血は雪を赤く染め上げるのでした。
凄惨たる戦地に、上空から一人の少女が降りてきます。
それは、C.H郵便社の自動手記人形ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンでした。
ヴァイオレットは残党を振り払い、エイダンを担いで小屋に隠れ、傷の手当を施します。
ですが、死期を悟ったエイダンは手紙を書いて欲しいと頼みます。
自分を育ててくれた両親への感謝の手紙、そして、故郷に残してきた幼なじみの恋人マリアへ「愛してる」と。
エイダンの言葉を指の動きでヴァイオレットは記憶します。
ヴァイオレットはエイダンを看取りました。
「大丈夫ですよ、旦那様。手紙は必ずお届けいたします」
夜が明け、ヴァイオレットはエイダンの故郷へ舞い降りました。
マリアとエイダンの両親は、手紙を届けてくれたヴァイオレットに涙ながらに感謝を告げます。
「エイダンを帰してくれてありがとう」
本当は助けたかった。でも、助けられなかった。
ヴァイオレットは、やりきれない想いに胸が締め付けられます。
「もう、誰も死なせたくない」
しんどかったです......。
この回は、個人的に一番何を思うべきか分からなかった回でもあります。終わったはずなのに終わらなかった戦争を恨むべきなのか、撤退するエイダンを敵軍がしつこく追い回し殺そうとしたことを酷いと思うべきなのか、きっとどれも間違ってはいないけれど、正しくもないのかなと思います。戦争は、単に損得だけでなく、それぞれの正義や祖国に対する想い、敵国に対する感情などがごちゃごちゃに混ざっているものだと思っています。だから、エイダンの死は偶然ではなかったと感じます。
大きく逸れてしまいましたが、本編に話を戻します。
エイダンは未だ内戦が続く地帯で兵士として従軍していました。出撃前にマリアの写真ともらったハンカチを見ていた部分が印象的です。未練を残して死ぬわけにはいかない、という決意に見えました。敵軍に襲われた後、何としてでも生きると、一生懸命に逃げる姿は胸が痛かったです。そして、撃たれてしまった仲間を見捨てない所も、優しく仲間想いの人物なのだと分かりました。たとえ生きていたとしても、負傷して動けないのであれば...と考えてしまいます。
ヴァイオレットが来て、手紙を書くシーンは胸が締め付けられました。両親とマリアに愛され、エイダンもみんなを愛していたのだと分かりました。もう一度お父さんとお母さんが出会ったら、自分も息子として生まれたいと言った所は感動しました。そしてマリアとは、まだ恋人らしいことをしたことがないと言っていました。彼らの大切な時間が戦争によって奪われた証拠でもあります。たくさんしたかったこと、してあげたかったことがあると思いますが、その気持ちを手紙にして伝えることで少しでも後悔が無ければよいなと思いました。死と隣り合わせの戦場だからこそ、誰かに伝えたい想いがある、ヴァイオレットの行動は危険で無謀ではあるものの、ドールとして正しかったのではないでしょうか。
最後にヴァイオレットが手紙を届けに行った所はつらくて仕方なかったです。最初は、"エイダンを帰してくれてありがとう"の言葉の意味があまり分かっていなかったのですが、きっと身体は帰ってこないとしても、心=想い=気持ちを、愛する人の所へと伝えることができたことを表しているのだなと分かりました。エイダンから手紙が届いた時のマリアの嬉しそうな表情と、何かに気づいて顔を曇らせる部分は、繊細に描かれていてすごいと思いました。
ヴァイオレットは同じく戦争で大切な少佐を失いました。大切な人、愛する人を失う気持ちや痛みが分かるようになったからこその、"もう誰も死なせたくない"という想いだったと思います。ヴァイオレットが成長したのと同時に、人間性も生まれていることが分かりました。ヴァイオレットには、これからより楽しい、嬉しいといった感情も感じてもらえるような瞬間があれば良いなと思います。
今回はここで終わります。
読んでくださりありがとうございました。
はな
2021/09/11
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑩ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
前回に引き続き書いて行きます!
今回もとっても気合を入れて頑張ります!!
記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第10話 「愛する人は ずっと見守っている」
マグノリア家の屋敷につながる白樺の一本道を、大きなお人形が日傘を差して歩いて来ました。
冬の初め、屋敷にやってきた自動手記人形、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンです。
マグノリア家の一人娘アンは、好奇心旺盛でお母さんが大好きな女の子です。
けれど、最近は気分が晴れません。
母の体調が芳しくない上に、訪ねてくる客が後を絶たないのです。
一緒におままごとをすることも、本を読むことも、虫を捕まえることもできません。
手紙を書くために母が招いたという「お人形」も、きっと私から母を奪う存在に違いありません。
それから、母はヴァイオレットと二人きりでアンに内緒の手紙を書き始めました。
母に近づくことを許されていないアンの心には、ますます不安が募ります。
アンは、誰に充てたものかもわからない手紙を書くより、少しでも自分と一緒にいて欲しいと願います。
それが叶わないのなら、「せめて手紙を書いている側でお母さんの手を握らせて欲しい」と訴えます。
なぜなら、もう母に残された時間がないことを知っているからです......。
それすらも許されず、アンは胸が張り裂けそうになり、屋敷を飛び出します。
わがままを言って、母を悲しませたいわけではないのに、涙が止まりません。
「手紙なんて届かなくていい」と泣きじゃくるアンに、ヴァイオレットは優しく告げます。
「届かなくていい手紙なんて、ないのですよ」
そう言って、ヴァイオレットはアンをそっと抱きしめました。
ヴァイオレットが依頼を終え、屋敷を去る日になりました。
アンは、ヴァイオレットのあたたかな頬に小さなキスをしました。
その時、ヴァイオレットが「お人形」ではなかったと知ります。
ヴァイオレットは、愛らしいアンに優しく微笑みかけました。
ヴァイオレットがアンに内緒で代筆した手紙、それは、50年間にわたってアンの誕生日に届く、母からの手紙でした。
将来、母が亡き後も、アンは手紙によって母の愛情を受けて育つのです。
遠く離れたところにいる、母に見守られながら。
第10話、感動で大号泣しました。
つらくて、苦しくて、悲しくて、でも優しい、温かい、そんな意味で胸が締め付けられる素敵なお話でした。
実は、まだヴァイオレット・エヴァ―ガーデンを見ていない時に、10話の内容のネタバレをくらいました。なるほどなるほど、それで皆さん泣けたと仰っているのね、ならもう内容を知ったうさぎは泣かないわ、と思い見ていたら...考えが甘かった...!何回見ても泣けました!!!声を大にして言いたいです!
これは泣けます!!!!!!
取り乱しました。大変失礼致しました。
まず、この話はアンに焦点がとても当てられていました。アンは最初、ヴァイオレットのことを本物のお人形だと思っていました。ドールと言っても意味は違うのですが、ヴァイオレットは美しく、表情があまりないのでお人形にも見えるかもしれません。アンは好奇心旺盛ですので、ヴァイオレットがお茶を飲んだ時驚いて、飲んだお茶はどうなるのかと聞いていました。ヴァイオレットも上手に答えていましたね。
ヴァイオレットと奥様が代筆の作業をしている間は、アンは近づくことができません。隣の部屋からその様子を眺めたり、一人で遊んだりするしかないのです。とてもとても寂しそうで、可哀想になりました。奥様は体調が優れない時も多く、その時はアンがヴァイオレットの相手をしてあげる、といって二人で遊んでいました。アンもだんだんとヴァイオレットになついてきます。以前までのヴァイオレットなら、子供と遊ぶことはできなかったでしょうが、今のヴァイオレットには子供の遊びにも付き合えるようになっており、大きく成長していました。
それでも、アンはお母さんが心配で手紙を書くのをやめて、一緒にいて、と度々訴えます。それが悲痛で見ていられませんでした。屋敷に来るのは、屋敷などの財産を狙う人ばかりで、奥様のことを心配している人がお見舞いに来ているようには見えませんでした。遠くにいる大切な人に書いている、と言っていましたが、お見舞いに来ないような人が私より大切なの、と言います。アンがお母さんのことを思う気持ちと、お母さんがアンのことを思う気持ちは同じはずなのに、言葉にすることができないからこそすれ違ってしまっていて、本当につらかったです。そして、アンのお父さんは立派な戦死を遂げられた、これもつらいものでした。せめてお父さんが帰還していれば、アンは一人になってしまうことはなかったかもしれません。元軍人のヴァイオレットには、何か感じることがあったかもしれません。自分も戦争で少佐を失った、愛する気持ちは完全にはわからないけれど、ヴァイオレットもきっとアンの気持ちが分かったのではないのでしょうか。
アンは子供らしくもあり、賢くもあったと思います。お母さんがもうほとんど生きられないことにも気づいていました。だからこそ、大好きだからこそできるだけ長く一緒にいたかったと思います。その思いをぶつけた後、お母さんが泣いてしまったのと、それでも手紙をやめてくれなかったので、アンは屋敷を飛び出し泣きじゃくります。ヴァイオレットが追いかけ、なぐさめます。お母さんを泣かせてしまった、アンの母を思う気持ちと優しさに泣きました。手紙は、伝えたい思い、言葉では伝えることができない思いを伝えるもの、だからこそ、届かなくてよい手紙などないと諭します。奥様がアンに毎年伝えたい思い、自分はもうその頃には生きていないから、直接言葉で伝えることができない思いを、手紙は届けてくれるということに気づき、感動しました。
ヴァイオレットが帰る日になりました。EDテーマが流れ始め、涙腺が危うかった頃です。
アンが、お母さんは誰に手紙を書いていたんだろう、ヴァイオレットの手紙、読んでみたかったな、と思うシーンの後、アンに手紙が届くシーンになります。一緒に遊んだ家には、もう奥様の姿はありません。けれど、母親から愛する娘に、毎年一通の誕生日の手紙が届いて、愛を知るのです。音楽と映像が相まって号泣しました。アンはだんだん成長していき、好きな人ができ、結婚し、母親になります。大好きなお母さんと過ごした家で、新しい家族と暮らすのです。その間も、ずっと遠くから、愛する人は見守っているのです。
会社に戻ったヴァイオレットは泣きます。アンの気持ちになって泣くのです。ヴァイオレットが、感情を大きくあらわにします。ここも、とても感動しました。もう道具ではありません。誰かに寄り添うことができるドールになったと思います。
本当に、とても感動しました。
長くなってしまいましたが、ここで終了します。
読んでくださりありがとうございました。
はな
2021/09/10
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑨ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
前回に続いて、張り切っていきます!
ですが、前回から心ははち切れそうです...。
頑張ります。
記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第9話 「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」
インテンス奪還作戦中、ギルベルトは敵の銃弾を受け、致命傷を負います。
動けなくなったギルベルトを連れてヴァイオレットは逃げようとします。
その時、さらに攻撃を受け、両腕は、銃撃と手りゅう弾で失われてしまいました。
ギルベルトが何度逃げろと告げようとも、ヴァイオレットはその場を離れようとしません。
絶対に死なせない、とギルベルトの服を歯で噛んで引きずって行こうとします。
もうやめてくれ、とギルベルトは言います。
ギルベルトはヴァイオレットに微笑みかけます。
「生きて、自由になりなさい。心から......愛してる」
ですが、ヴァイオレットには言葉の意味が理解できません。そして、悲痛に訴えるのでした。
「私......わかりません、少佐。「あい」ってなんですか......?」
敗北を悟った敵軍は自らの総本部であるインテンスを砲撃しました。
崩壊する大聖堂の中に残された二人は、瓦礫の中へ消えていきました。
ヴァイオレットはギルベルトが無事だと信じていました。
しかし、真実は違ったのです。
瓦礫の中からギルベルトが見つかることはなく、未帰還兵として処理され、墓が建てられていました。
ホッジンズは、瓦礫のインテンスに立ち尽くすヴァイオレットを連れて、C.H郵便社へと帰ります。
覚悟を決めて真実を告げたホッジンズは、ヴァイオレットが自らの力で、過去を乗り越えるしかないと考えていました。
このまま自動手記人形でいてもいいのか、生きていていいのか...
それから、しばらくヴァイオレットは部屋に籠り続けました。
そこへ配達員のローランドが手紙を届けにやって来ます。
差出人はアイリスとエリカでした。ヴァイオレットが初めてもらった手紙でした。
夜遅くまで配達を行っていることに疑問を感じたヴァイオレットが尋ねると、ローランドは新人の配達員が配達しきれず手紙を捨ててしまったのだと言います。ヴァイオレットはローランドの仕事を手伝い、市内の家々に手紙を届けます。
配達をしながら、どの手紙にも誰かの大切な思いが詰まっていると感じます。
そして、届かなくてよい手紙などないのだと、知ります。
ヴァイオレットが部屋に籠っている間、代筆の指名がヴァイオレットに入っていました。
それは、ヴァイオレットが最初に手紙を代筆して渡した、ルクリアの兄からの依頼でした。
ヴァイオレットは今は仕事ができないと他のドールは説明しますが、スペンサーはどうしてもヴァイオレットに書いて欲しいと言ったのでした。
ヴァイオレットは配達の手伝いをした後日、スペンサーの代筆に向かいます。スペンサーは、ルクリアからの手紙をもらって以来、生活を改め、仕事も決まったのだと話します。そしてルクリアに感謝の手紙を出したいと依頼しました。
スペンサーの依頼を終えた後、街を歩きながらヴァイオレットは会社に戻ります。
道中、新聞記事を見かけ、そこに公開恋文で結ばれたシャルロッテとダミアンの記事を見つけます。壁に目をやると、戯曲家オスカーの新作である、オリーブの物語の広告が出ています。花屋では、アイリスの花が咲いています。
ヴァイオレットは急いで会社に戻り、ホッジンズに会います。
社長の仰る通り
私はたくさんの火傷をしていました...
良いのでしょうか...
私は...自動手記人形でいて...
良いのでしょうか...
生きて...生きていて...
良いのでしょうか...
こう訴えると、ホッジンズは言います。
してきたことは消せない。
でも...でも!
君が自動手記人形としてやってきたことも消えないんだよ。
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン!
引用:ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 9話 クラウディア・ホッジンズ
ヴァイオレットが多くの人の命を奪ったという事実は決して消えません。
しかし、その手が手紙を書き、多くの命を救ってきたという事実も決して消えることはないのです。
ギルベルトがつけた「ヴァイオレット」という名前。
その名にふさわしい人になるように、ヴァイオレットは再び歩き始めたのでした。
この回はもう語りつくせないくらい素晴らしい部分が多く、うさぎの心もキャパオーバーですよ!!涙腺がぁ...!
戦争中は、ヴァイオレットは感情がほぼなく、愛も分かりませんでした。少佐の告白も届かず、それでも少佐を失いたくない、という気持ちだけは大きく、何としてでも助けようとしていました。そこがすごくつらかったです。両腕を失ってもなお、自分の生き死にはすでに眼中になくただ少佐の無事だけを考える、それがギルベルトにとってはどれほどつらくもあったのだろうかと思います。ギルベルトは、恐らくここが最期だろうと感じて気持ちを伝えたのですね。瓦礫の直撃を受けるシーンではヴァイオレットを庇ったように見て取れます。ヴァイオレットはそれで助かったわけでもありますから、ギルベルトは本当に愛していたのだと思います。ヴァイオレットも気持ちや言葉の意味は分からなくても、ギルベルトのことを愛していたのだと感じます。ひどい戦争でした。
悩み苦しんだヴァイオレットは、自分で自分の首を絞めて死のうとします。その時の演技が素晴らしかったです。圧巻でした。それだけ思い詰めていたのだと分かります。今まで感情がなく、人の痛みや苦しみも分からなかったヴァイオレットですが、それらを少しずつ得たことによって、自分のしてきたことの重大さと責任に気づき、押しつぶされそうになっていました。ヴァイオレットが成長してきたことの証であり、これからどのような選択をするかの重要なポイントでもあったと思います。
アイリスとエリカの手紙、そして配達作業で自分の仕事の重要性に気づきます。
うさぎは、ルクリアの兄のスペンサーが、ヴァイオレットに書いてほしい、と言った部分がとても感動しました。人を殺す以外で必要とされなかったヴァイオレットが、初めて意志を持って選んだことで誰かに認められ、必要とされました。ヴァイオレットが選択して行動してきたことが間違っていなかったのだと思わされるシーンでした。
スペンサーの依頼を終えた後、ヴァイオレットのしてきた仕事の結果が全て映るシーンは、本当に感動しました。素晴らしい演出でした。そして、そこで流れていた結城アイラさんのBelieve in ...という曲にも感動して、涙が滲みました。
これまでしてきたこと以上に、ドールとして働くことが何よりも重要だと、分かったシーンでした。
さて、次回は伝説の回ですね。頑張ります!
ここで終わります。
読んでくださり、ありがとうございました。
はな
2021/09/09
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑧ (ネタバレ有り)
こんにちは。うさぎです。
今回も前回に引き続き書いて参りますが、前回からかなり涙腺が大変なことになってきておりますね!
第⑧回、気合を入れて頑張ります!
記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第8話
自分が誰かの『いつかきっと』を奪っていたことに気づいたヴァイオレットは、いつの間にかその身が、自分がしてきたことで燃え上がっていたことに気づきます。
ーー4年前。
北東戦域で拾われた「武器」と呼ばれた孤児の少女は、ギルベルトと出会いました。
言葉も話せない少女は、うつろな瞳でギルベルトを見つめます。
ギルベルトは少女を引き取り、上官の命で彼女を自分の部隊に入れることになりました。
ギルベルトは少女を、その名が似合う女性になるようにと願いを込めて、「ヴァイオレット」と名付けました。
ヴァイオレットはギルベルトのもとで、言葉を覚え、文字も書けるようになりました。
一方で、その呪われた才能とも言うべき並外れた戦闘能力で、次々と敵兵を倒していきます。
一人、また一人と、ヴァイオレットが敵兵の返り血を浴びるほど、ギルベルトの部隊は功績を讃えられ、ヴァイオレットの噂は「少佐の武器」として瞬く間に広まりました。
そして、ギルベルトの心は締め付けられていきました...。
それから月日は流れ、ヴァイオレットの活躍により、部隊は順調に作戦を成功させていきました。
部隊は、敵国から解放されたばかりのメヒティッヒの町を訪れます。
そこでは、人々が日ごろの感謝の気持ちを伝え合う祭りが行われていました。
ギルベルトはヴァイオレットに感謝の贈り物をしようと、欲しい物を尋ねました。
二人は通りを歩きます。
夜店で売られていたエメラルドのブローチの前でヴァイオレットは釘付けになりました。
「少佐の瞳があります」
何と言い表せばよいのか分からないほどの衝撃が、ヴァイオレットの体を駆け抜けます。
それが「美しい」だと知ったヴァイオレットは、「言葉が分からなかったので言ったことはありませんが、少佐の瞳は出会った時から『美しい』です」と伝えました。
その言葉を聞いたギルベルトは、例えようもない苦しみに胸をつまらせました。
南北大戦の決戦の地となる、聖地インテンス。
この地を制圧すれば、戦争は終わりへと向かいます。
ギルベルト部隊は内部への侵入に成功し、屋上から全軍突撃の合図を送りました。
しかし、ギルベルトに敵の銃口が向けられていることに、誰も気づいていませんでした。
この回は、今まで断片的にしか見ることができなかった、ヴァイオレットの過去についてのお話でしたね。
ヴァイオレットは孤児で、戦域にいたところを、ギルベルトの兄、ディートフリートに拾われてきたのでした。そして、戦争の道具として使うように言われ、肯定はしなかったものの、引き取ります。ギルベルトは誠実で真面目で優しい方だと思うので、子供を兵士にすることには反対だったと思いますし、孤児に対しての同情の気持ちが大きかったと思います。しかし、その圧倒的な戦闘力が故に、上層部からの命令には逆らえず、部隊に入れることになりましたね。ヴァイオレットは初め、言葉も話せず、まるで人とは言い難いような状態でした。そもそも他人を信用するという気持ちが無かったと思うので、あくまで自己防衛のために他人を攻撃したり、地面で丸くなって寝たり、他人が近づいてくると物理的にも距離を取ったりと、育った環境の過酷さを感じさせられました。ですが、ギルベルトにだけは心を許していた部分があったようです。
ヴァイオレットはギルベルトの下で様々なことを学び、成長していきますが、殺伐とした世界で生きているので感情の芽生えになりませんでした。わずかに心を動かされる感触がする、といった感じでしょうが、それがとてもギルベルトにはつらかったのでしょうね...。普通の子として育ててあげることができない自分に、とても憤っているような気がしました。ヴァイオレットはそれには気付くはずもなく、それでも変化はしていくので、その些細な変化の度にギルベルトの心は締め付けられたと思います。
今のヴァイオレットにもう一度出会ってほしいです。
あのような別れ方は悲しいですね。
今回はここまでにします。
読んでくださり、ありがとうございました。
はな
2021/09/08
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン を見た話⑦ (ネタバレ有り)
こんにちは~!うさぎです。
今回も気合を入れて書いて行きます!
最近長い記事が多くて読むのがつらかったらすみません...!書きたいことを忘れないように書いてるだけですので斜め読みしてくださいね!
記事では本編の内容について扱い、ネタバレも含みます。
以下、ご注意ください。
第7話 「 」
『いつか、きっと見せてあげるね、お父さん』
そう言ってくれた娘は、もうここにはいない。
湖畔にぽつりと立つ屋敷に、人気戯曲家のオスカー・ウェブスターは暮らしていました。
オスカーは戯曲の執筆を手伝ってくれる自動手記人形を呼びます。
現れたのは、オスカーが名前すら悲しくて囁けない、「あの子」と同じ髪色の少女、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンでした。
ヴァイオレットがやって来ても、オスカーは何かを紛らわすように酒を飲み続け、仕事に向かおうとしません。
ヴァイオレットは、困ったお人ですね、と身の回りの世話をします。
しかし、仕事に向かわないのには理由がありました。
オスカーには、自分の命よりも大切な娘がいました。
お気に入りの日傘を差して湖畔を歩く「あの子」の名前は、オリビアといいました。
『わたしもこの湖を渡ってみたい。あの落ち葉の上なら、歩けるかなぁ』
そう言って、オスカーに微笑むのです。
ですが、幼い彼女は病気に倒れ、天国へと旅立ちました。
ただ一人、父であるオスカーを残して。
大切な人との別れがどれほどつらいことか、ヴァイオレットは、オスカーの深い悲しみに共感します。
オスカーは、オリビアに生前聞かせてあげていた物語を、子供向けの戯曲として完成させようとしていました。
物語の終盤、主人公は日傘を使って湖を渡り、父親の待つ家に帰らなくてはなりません。
その情景が思い浮かばず、行き詰まってしまいます。
オスカーは、ヴァイオレットに娘の日傘を持って湖畔を歩くように言います。
歩くだけでよいのか、と返すヴァイオレットに対し、できれば、湖の上を落ち葉をつたって歩いて欲しい、と言います。
ヴァイオレットは、かしこまりました、と承るのです。
次の瞬間、オスカーの瞳に、オリビアの日傘を持って湖に向かって跳躍するヴァイオレットが映ります。
ブーツが水面の落ち葉に触れて、風の力でふわりと一瞬浮き上がります。
オスカーはその姿に、亡くなったオリビアを重ねます。
「死なないで、ほしかったなぁ...」
オスカーには、オリビアが微笑みかけたように見えました。
「君は死んだ娘の『いつかきっと』を叶えてくれた。ありがとう。ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」
と、優しさに満ちた瞳でオスカーは告げます。
依頼が完了し、帰路につくヴァイオレットの瞳の奥には、悲しみが宿っていました。
ライデンの港についたヴァイオレットは、エヴァ―ガーデン家の奥様と再会します。
最初の非礼をお詫びするヴァイオレットに、奥様は立派になった、"亡くなった"ギルベルトも報われる、と話すのでした。
ヴァイオレットは、少佐が"亡くなっている"ことを初めて知り、混乱し、取り乱します。
会社に戻って社長に無事を問いただしますが、未帰還だと知らされ、認識票ががれきの下から見つかった、と教えてもらうのでした。
7話、結構しんどかったです!涙腺がぁぁぁ...!
まずはお決まりの映像美についてですが、今回も自然の風景が多めということで、特に光と水の描き方が上手だなあって思いました。湖はキーとなる場所ですが、光を反射してキラキラと輝き、水面に浮かぶ落ち葉も美しく、さらに透明感のある水が描かれていて素敵でした。ヴァイオレットが跳ぶシーン、そしてそれを見たオスカーに当たる光、ここが一番素晴らしかったと思います!
オスカーは、奥さんを病気で亡くし、それから娘のオリビアとここに引っ越してきましたね。そして娘にも先立たれてしまう...可哀想で、仕事なんかできないよな、って思いました。しかも、娘に話してあげた物語をもう一度考えるなんて、常にオリビアのことを思い出して悲しくなるじゃないですか...。ですが、ヴァイオレットと話し、物語をどうしたいのか、どのような結末にしたいのか、自分のそうであってほしかったという願望も含めて認めることができ、オリーブの物語が完成しましたね。感動でした。湖の上で跳んでほしいというお願いは、つい口から出てしまっただけのもので、当然できっこないものですが、ヴァイオレットはできないと言わず、少しでもやってみせてくれました。この代筆は、ヴァイオレットにしか、務まらなかった仕事だと思います。最後の、生きてほしかった、という願いの部分は...もう... 大切な、"愛する人"ですからね。ですが、ヴァイオレットの行動がオスカーの救いに少しでもなっていたと思うので、良かったと感じました。
ヴァイオレットは今回、初めてギルベルトが亡くなったということを知りました。衝撃だったと思いますし、今まで嘘を教えられていたのだと、裏切られた気持ちにもなったと思います。そういったことが感じられたのは、また一歩成長し、感情を獲得し、自分の気持ちが分かってきたことだと思います。しかしながら、筆者も衝撃でした。認識票とは、戦争で遺体がひどいことになり、身元の判別ができない場合に身元を証明するための、プレートやタグや名札などの形でいつも身に着けておくものですよね。それががれきの下から見つかったとしたら...あまり良い期待はできませんね。そもそも、ヴァイオレットも両腕を失くしているわけですから、きっとかなり悲惨な状況だったと思います。次回、ヴァイオレットがどのように向き合っていくかに注目したいです。
今回はここまでにします。
読んでくださりありがとうございました。
はな
2021/09/07